あの日。。。
22
別に屋上を出て行く宛など学校にはない。
それでも走ってとりあえず学校を出た。
『はぁ…はぁ…』
走って走って気が付けば知らぬ所に来ていた。
辺りは昼間なのに薄暗く壁に迫られた細い道が枝の様に細い俺の心を折ろうとしてくる。
『ここ……どこだ。』
見覚えのない道に益々不安が大きくなる。
感情を取り戻した俺には負荷が多すぎる。
「あははー。そんでさー」
『っっ!?』
急に静かだった空間に複数の男の笑い声が木霊した。
「ん?あっれーなーんでこんなところにー学生さんが居るのかなー?」
俺の存在に気付いて妙に間延びした話し方をする二十代くらいの男が話かけてきた。
『ぁ……ぃゃ……』
何故かあの日の記憶が甦り言葉を紡げなくなった。
「んー?なにー?つかー、君男?マジチョー女顔じゃねー?」
さっきの男が話ながら近付いてくる。
それから逃げようと後ろに下がるが壁に背が着いてしまった。
「ちょ、押さえててー。俺、こいつならヤれるわー。」
「了解。」
「良い感じだったら俺にもヤらせろよ?」
「もちー」
迫ってくる男と一緒に居た茶髪の男と金髪の男が俺の体を道に倒して仰向けにする。
『ぃ、嫌だ!離せ!やだぁー!!』
必死に体を捻って逃げようとするが男二人の力には到底敵う筈もなく更に押さえ込まれる。
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