隷属 -I'm Your SLAVE-
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先輩の謎の訪問で目が覚めてしまった俺は、午後の授業には出た。
そして、放課後。
葉月の部屋。
俺は、だいぶ動けるようになった葉月に昼間の話をした。
因みに、昨日のお詫びも兼ねて俺が葉月に膝枕をしていたりする。
『しっかしよくわかんねーよなぁ、あの先輩』
「………実は良い人なんじゃない?」
『なんで?』
「だって、本当に嫌な人だったら、そんなこと言えないと思うもの」
『……そんなもん?』
「なんじゃない?」
まぁ……害がなくなればなんでもいっか。
「それに……」
『うん?』
葉月がはにかんだような顔をした。
相変わらず可愛いんだよなぁ。
「ある意味、その先輩のおかげで七海と、その………こ、恋人に、なれたわけ、だし」
…………あー、葉月の顔、真っ赤。
『そうかもな』
「うん………」
『なぁ葉月?』
「なぁに?」
『あんまり可愛いこと言ってっと、喰われるってこと、知ってるよな?』
そう言って横になっている葉月の分身を服の上から撫でる。
「んあ……し、知らない、よ」
『葉月………』
「ちょっと……ホント、ムリ………明日も、ん……学校に、行けなく、あぅ……なっちゃう、じゃん」
『そのことなら大丈夫。帰りにマッサージの本買ってきたから』
腰を中心にたくさんやってやるよ。
「そ、いう問題……ふぁ………じゃない、でしょ?」
『なんだったら、学校まで連れて行ってやるよ? オヒメサマ抱っこでv』
「なな、み……?」
あー、もう………
『限界』
「え?! ななみ! んやぁ……ああん!」
結局、その日も俺は葉月を押し倒してしまった。
だが翌日、葉月は登校できた。
『やっぱり、俺のマッサージのおかげだな』
「………何言ってんの。僕の涙ぐましい努力のおかげでしょ」
そして、これが俺たちの日常になっていったりする。
中学までと同じように、朝は俺が葉月を迎えに行って一緒に登校。
学校でも一緒。帰り道も一緒。
また、幼なじみとして側にいる時と同じような、穏やかな時間が戻ってきた。
だけど唯一変わったのは………夜、一緒にいるときの、【恋人】としての時間。
もちろん日中にも、ただの幼なじみではありえないことをしちゃってるが、夜は長いから。
「七海……ずっと側にいて………」
『ああ。ずっと一緒だ、葉月』
時々、思うことがある。
高校に入ってからの1年半、俺は身体的に葉月を俺に隷属させていたが、精神的に隷属していたのは、実は俺の方だったのではないだろうか。
葉月がいなければ息の吸い方すら分からなくなりそうな。
そんな俺は、葉月依存症なんだろう。
ずっと一緒にいてほしい。
俺の全てを、君にあげるから。
「隷属 -I'm Your SLAVE-」 END
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