隷属 -I'm Your SLAVE-
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「や……やだやだ!」
葉月が暴れ出した。
『なんで? 葉月だってこんな関係、嫌だろう?』
暴れていた葉月は俺の言葉を聞いて泣き出した。
「な、なみの嘘つき! 僕、のこと……捨てないって、言ったぁ!」
『だ…誰が葉月を捨てるか!』
「だって……【この関係を終わらす】って!!」
『そうだ! この関係を終わらす! そして……もし葉月がまだ俺と一緒にいてくれるっていうなら……【恋人】っていう関係になりたい』
ああ、俺ってズルいな。
葉月の気持ちを知った上でこんなこと言うなんて。
って葉月。
……………………なぜ何も言わないんだ。
「…………え? いま、なんて?」
『っ!/// お前が好きだって、そう言ったんだ。…………何度も言わせんじゃねぇよ』
「ほんと…に?」
『ああ』
「っ! 七海……僕、七海を信じていいの?」
『ああ』
「僕以外に抱いてる人はいない? 恋人は?」
『俺は葉月を抱くようになってからは葉月以外の奴を抱いていないし恋人を作ったこともない』
「なな、み……僕、嬉しい。七海…大好き……」
『ああ。俺も……葉月。お前を………愛してる』
ずっと言いたくて…でも言えなかった言葉を、今やっと…言えた。
それからの俺たちは無我夢中でお互いを求めた。
気持ちが通じた上での行為は一番気持ち良いと言うが、それを実感した。
葉月は我慢に我慢を重ねた状態だったからイき方が凄かったし、俺は俺で何度葉月と交わっても足りなかった。
抜かずの5連発という激しい行為の後、俺は葉月の目の前で例のケータイの画像を削除した。
「………PCのは?」
『……………自宅鑑賞用』
「…………………」
『いいじゃん他人に見せるわけじゃなし』
「ふーん? 僕がいるのに? 若い僕の方がいいの?」
『じゃあ毎晩ヤらせてくれるの?』
「それは……無理でしょ?///」
『なら…こっちは残させてよ』
「……しょうがないな」
甘い雰囲気の中、俺たちはお互いを抱きしめ合った。
「ねぇ七海?」
『うん?』
「僕、七海に聞いてもらいたいことがあるんだ。聞いてくれる?」
『ああ。…なんだ?』
「あのね、一年半前、どうして僕が椎名先輩と付き合おうと思ったのか」
あの、俺が葉月を犯すことになったきっかけ。
『葉月も好きだったからじゃないのか?』
「違うよ。今もそうだけどあの頃も、僕は七海が好きだったんだ。…………抱いてほしいと思うほどに///」
『っ…!』
「だけど、七海はいろんな人とシてたでしょ? それに僕に対してはキスすらほとんど、っていうか全くしてこなかった。だから、僕は僕自身が七海にとってそういう対象になり得ていないと思ったんだ」
確かに、あの頃の俺は寄ってくる奴を片っ端から抱いていた。
だが、葉月がそんな風に思っていたとは知らなかった。
「だから僕、学校で人気の高い椎名先輩と付き合って抱かれることで、少しでも七海にそういう意味で意識してもらおうと思ったんだ」
かなりの捨て身だよね、と葉月は苦笑している。
「だけど、好きでもない人との性行為は、それがたとえキスであっても結構気持ち悪かった。だから、椎名先輩へのお別れの言葉は、実は本音だったんだ」
葉月がゆっくりと俺に手を伸ばしてきた。
「これが、僕が七海に隠していた真実だよ」
俺はその手を取り、引き寄せた。
やばい、かなり嬉しい。
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