アンタとオレの関係
-04 (SIDE KYO)
次に遼が目を覚ましたのはホテルまであと少し、というところだ。
到着予定時刻から逆算して、ホテルまでの時間を教えてやる。
言外に、もう寝るなと言ったことにコイツは気づいているだろうか。
しっかし、よくそんなに寝られるもんだ。
そう言えば
「成長期ですから」
という答えが返ってきた。
170cmは優に越えているだろう身長を考えると、今ぐらいで止まってくれた方が俺としては嬉しいんだが。
「すぐに追い越しちゃる」って、俺に追いつく気かよ!?それだけは勘弁。
その後、しばらく黙っていたかと思ったら、今度は期待に満ちた顔でこちらを向き、運動神経は良いか、足は速いかと問われた。悪くないというよりは良い方だし、速いと思うのでそう答えると、
「っ!2日間よろしく相棒っ!!」
とキラッキラした目で言われた。
……なんだ、このカワイイのは。
しかし、なぜそんなに嬉しそうなのか。
聞くと、遼は賞品を狙っているらしい。
うん。可愛い。
そんなにハリキられると、企画した側としては余計、嬉しくなる。
かなり激しい握手をさせられたかと思えば、またもや遼は思案顔。
どうしたんだ?
「お前、俺んことキライなんじゃないの?」
なんってことを言い出すんだ!!
『ンなわけねーだろ!』
むしろ、今すぐ抱きたいぐらいに好きだよ!
「でーもさぁ、お前、俺のことすっごい顔して追いかけてきたじゃん」
『それは……』
まさか捕まえてモノにしようとしましただなんて言えない。
あの時は、遼を捕まえることに必死になりすぎていたんだ。
良い言い訳が見つからない俺の口から出たのは、心にもない言葉。
『っ、あの時は口封じしようと思っただけだ!!』
いや、さすがにコレは失敗だ。
だけど遼は今までのように逃げることはせず、俺との距離を縮めるつもりらしい。
「い、今は……?」
『……ヨロシクって言っただろ』
あーぁ。大概俺もガキだよな。まぁ実際、ガキなんだケド。
こんなことをしているうちに、ホテルに着いた。
◆◇
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