アンタとオレの関係
自由散策
このホテルの2Fにあるカフェで朝食を食べた後、俺の提案で、飲料水と軽食を売店で購入した。
一応何カ所かのポイントで、先生方が飲み水や軽食を用意しておいてくれるらしいのだが、裏を返せばそこを狙う鬼もいる可能性が高いのだ。
そんな危険な場所にそうそう何回も行きたくない。
なんせ、鬼ごっこは4時間かけてやるのだから!
要は、体力・知力・精神力がものを言う!……と思う。
10:00からは自由散策。地図は敢えて配られていない。
だが、広大なこのホテルの敷地内から知らずに外に出てしまう、なんてことはない。
何せ、周りを立派な柵で囲っているのだ。故意に出ない限りは、その心配はない。
俺と夾は太陽の位置から方位を割り出し、それを元に敷地の端から端まで歩いて、だいたいの広さを割り出した。
その過程で、隠れるのに良さそうな場所を見つけていく。
登りやすそうな木、中が空洞になっている木、大きな岩、丈の高い草むら、探せば探すほど、面白いくらいたくさんでてきた。
散策しながら、俺たちは計画を練った。
俺は最初、スタート地点が見える木に登って鬼の動向を探ろうと思っていたのだが、夾が言うには鬼の数が半端ないらしい。
ならば、鬼がスタートするまでの10分の間にできるだけ遠くに逃げることにした。
自由散策を始めてから1時間。俺たちはスタート地点からはだいぶ離れたところで、隠れ場所を探している。
「ここの木の根の下なんてどうだ?」
『あ、いいねー!木の根が身体を隠してくれそう』
「それに、内側からだと意外と視界がいいから、すぐに気づけるな」
『なぁ、俺思うんだけどさ』
「なんだ?」
『みんながみんな、こうやって隠れ場所見つけちゃったら、鬼は大変なんじゃない?』
「だからこそ、鬼は2、3年生から選ぶんだよ。1年生に比べれば地の利があるから」
『なるほど〜』
意外と考えられてるわけね。
◆◇
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