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アンタとオレの関係
ペア探し

他学年の知り合いはいるっちゃいるけど、ご一緒したくないのでパス。

和巴ちゃんたち4人の知り合いの先輩はいずれも文化部所属なので期待できない。

じゃあ俺の親衛隊はというと、仲の良い親衛隊員は、上位を狙う俺につきあわせるのがかわいそうになってくる感じがするので、こちらから辞退する状態。


さて、どうしたものか。


俺は、今週の金曜日の昼休みまでに提出だというペア決定用紙とにらめっこをしている。

既に和巴ちゃんと蒼太、健ちゃんは提出済みだ。

なんでも、和巴ちゃんは工学部で一緒の3年生と、蒼太は同じ化学部の2年生と、健ちゃんは地元が一緒だという3年生と組むらしい。


俺は部活に入ってないし、地元が近い先輩は夾だから却下だし。


横向きに座った俺の右横で暢気に惰眠を貪ってる俺のわんこはどうする気なんだろうか。


飼い主が悩みまくってるというのに、一人で気持ちよさそうに寝よってからに!

起こしちゃる!

『なぁゆーしー。お前はどーすんの?』

思いっきり揺さぶる。

「ぐぇっ」とか変な声が聞こえたけど気にしない。


「………最後までペアが決まらなかった人は、生徒会の方で無作為にペアを決めてくれるから、俺はおまかせコースの予定」


俺もいい相手がいなかったらそうするか。

だいたい、ペアの人のハチマキを取られちゃっても取り返せばいい話だし。


うん。そうしよう。





それから、金曜日の昼休みまでの間。

休み時間になる度に「ペアになってくれ」といろんな人に言われたけど、俺自身が気に入らなかったり、和巴ちゃんたちに止められたりで、結局俺はおまかせコースになった。


その一方、俺におまかせコースを教えてくれたわんこは、金曜日の朝に教室に姿を現した元陸上部だという先輩に誘われて、期限ギリギリで用紙を提出した。


………いいな。元陸上部トカ。


でも、いいんだもんね。残り【者】には福があるんだ。



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あきゅろす。
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