アンタとオレの関係
風呂談義
自分の席に帰ってみれば、相も変わらず怜志がいる。
うぅ……俺がここで自分の解答用紙広げたら、必然的に怜志にも見えるじゃんかぁ……。
躊躇する俺に、怜志は不思議そうな顔。
「なーんで遼は、俺の膝の上に戻ってこないのかなぁ?」
「お前のより、俺のの方が良いからに決まってんダローがバカ兄貴」
「………………。で、なんで?」
『うぅ……れーしの膝の上じゃ、自分の点数見られないぃ』
「え? なんで?」
『俺は自分の点数見られたくない派なの!』
「俺はたとえ遼が馬鹿だったとしても、遼がカワイイよ?」
『…………れーしさぁ、俺ンこと馬鹿にしてるでしょ』
「してないしてない。俺は全部ひっくるめて【遼】が好きなわけ。弟じゃないケド俺のもう一人の弟、みたいな? あ、因みに遼は3兄弟の末っ子ね」
『いや俺現実に3兄弟の末っ子なんだけど』
「え? そなの?」
『うん』
「ちょっ、なにその俺の夢を当たり前のものとしちゃってる羨ましい2人は!!」
『………全然羨ましくないよ。俺、二番目の兄貴とあんま仲良くないし』
「「「え………?」」」
その瞬間、周りが静かになった。
あーあ、やっちゃった。
『でもねー、一番上の兄貴とはすっげぇ仲良いの! 同じ家に住んでたら、しょっちゅう一緒にお風呂入っちゃうくらい!!』
「………そっかぁ。じゃあ、俺ともお風呂一緒に入っちゃおっか!」
『うん! は「許されると思ってんのか兄貴てめぇ」……じゃあゆーしも一緒に3人で入るんならいい?』
「…………………」
そこに、ため息混じりに入ってきたのは健ちゃん。
「遼、高校生なんだから風呂くらい1人で入れよ」
『なんでー? 俺の兄貴なんて、大学生になっても俺と一緒に入ってたよ?』
「そりゃ兄弟だからだろ」
『ぶー』
「いーじゃないの神崎くん。遼もこう言ってるわけだし」
そーだそーだ!!
すると健ちゃん、何やら思案顔。
「じゃあ遼お前、俺とも一緒に風呂入れんのか?」
『え? うん』
即答でしょそこは!!
『っていうか、裸の付き合いしてなんぼじゃない?』
同性の特権ってね!
「………なんか俺もう、頭いてぇ」
「まぁ、遼なんだからしょうがないよ」
「だよなぁ……」
『ってソレどういう意味なの! 健ちゃん和巴ちゃん!!』
「それでは、地理のテストを返却します。秋峰くん」
「はい!」
「「『いつの間にか教科変わってる!?』」」
うわわっ! 気付かなかったよ先生ごめん!!
◆◇
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