アンタとオレの関係
-09
おんぶ競争の後の競技は……騎馬戦でした。
【でした】っていうのは、もう競技が終わっているわけね。
あ、因みに1位は我がAでした。
せっかく1位になったのに、なんで俺のテンションがこんなに低いのか。
それは………
「アイツら全員、コロス」
「みんな遼ちゃんの騎に向かっていったもんねー」
「遼……大丈夫?」
そう。騎馬戦も総当たりだったんだけど、その相手クラスが悉く俺の騎狙いだったのです。
もうね、周りを5〜6騎に囲まれたときは冷や汗かいたよ。
なんか腕に指の痕ついてるし。
どんだけ強い力で掴んだんだよっ!!
しかも、何回か尻触られた、尻。
背中や腕、頭ならわかるんだけど、なぜ尻。
わけわからん。
まぁそんな具合だから、俺はすべての試合において、騎馬から落とされました。
んでも、そうやって俺にばかり攻撃が集中していたおかげで、他の騎は倒されず、結果的にうちのクラスが1位になったそうです。
団長にいわせれば、俺は「必然的な犠牲」だそうです。
………意味わかんねーよ。
なんだよ【犠牲】って。
んで、今は小休憩中。20分後に選抜リレー組は移動だそう。なので、かなり怖い騎馬戦を体験した俺は、胡座をかいた有志の膝の上に横向きに座って抱っこしてもらってます。
もちろん、有志の首に腕を回して抱きつき状態。顔も有志の肩に埋めている。
それで有志のおっきな手で背中撫でてもらうとすげぇ安心すんの。
………甘えたなのはわかってるよ?
けどな、ホントに怖かったんだぞ騎馬戦!!
有志に甘えていたら、俺を呼ぶ声が聞こえた。
「遼くん」
『……その声は、永作先輩?』
「うん。ところで、いつまでそうやっているつもりなのかな? もうすぐリレー始まるんだけど」
『ギリギリまで』
そう言ったら、頭に手をかけられて、顔を無理矢理上げさせられた。
「遼くん知らなそうだから教えてあげるけど、ウチのクラスのアンカー俺だから」
『え?』
Aのアンカーはまさかの大抜擢で俺だ。
ってことは、また勝負?!!
「遼くんは俺と勝負しないのかなぁ?」
『や………』
「や? 嫌なの?」
『やらいでか!! 勝負だ勝負! また負けた方が勝った方に……』
「うん、そうこなくちゃね!」
「ちょっと待って。負けた方は勝った方になにすんの」
俺を抱きしめる腕に力を込めて有志が聞いてくる。
『そんなん決まってんじゃん!』
そう得意げに言う俺に周りの視線が痛いくらいに集中する。
『負けた方が勝った方にジュース1本!』
その後、なぜか俺は健ちゃんからため息と共に頭に拳骨をもらいました。
…………ナゼだ。
◆◇
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