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アンタとオレの関係
-06

障害物競走は1位の永作先輩に大差をつけられての2位。

ぐーや゛ーじーい゛ー!!!

ハンカチ噛んで悔し涙を流す勢いだよ、もう。

そんなことを考えていたら、永作先輩が話しかけてきた。


「りょーうーちゃん」

『…………はーぁいー』

「あれれれ、遼ちゃんは俺に負けてご機嫌ナナメかな?」

『う゛ぅ……』

「ジュース何にしよっかなー?」


やべぇ、この人いじわるだ。
すっごく楽しそうに俺をいじってきてるよι


「遼くん」


あの時、周りの目を気にせずに思い切っていけば、1位になれたのになぁ………。


「遼くん?」


俺ってばやればできる子なのに、なんで周りなんか気にしたんだ!!


「遼くーん?」


やっぱり、全身全力で突っ込んでいかなきゃ駄目なんだな、うん。


「りょーうーくーんー」


よし、最後のリレーで本領発揮だぜ!!!


「俺を無視するとはいい度胸だね、遼くん。そんな悪い子には……」

『え?』

「ぅおりゃ!!」


「「「「キャーッ!!!」」」」


『なっ! ちょっ! あ……はははははは!』

「くすぐり攻撃ー」

『や、やめっ! あっははははは!』


何が起きたかと言うと、永作先輩に押し倒されて、くすぐられているのだ。

ってか、マジで!

『くすぐったい〜〜! ひゃははは!』

「なになにー? もっとしてほしいって?」

『ゆ、ゆってないし!』


やっと永作先輩の手を捕まえた。


『ってかなんで俺くすぐられたんですか!』

「そりゃあ俺を無視したからに決まってるでショ」

『…………いつ?』

「今さっき」

『うそぉ?』

「やっぱり完全にトリップしてたわけね。もうそろそろ最終レースだから移動の準備するよーって声かけてたんだけど」

『え?』


周りを見回してみれば、ゴールに向かって走る生徒たちの姿と、それらには目を向けず、こちらを見る観客の視線。


『永作先輩』

「なにかな?」

『ゴメンナサイ』

「よろしい」


よしよーし、と頭を撫でられているうちに、障害物競走は終わりました。



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