アンタとオレの関係
-02
借り物競走第9走者には裕行会長がいる。
会長に飛ぶたくさんのエール。
ってアンタら、うちのクラスじゃないじゃん!
そして走り出す裕行会長。
紙を拾って中を見たと思ったら、そのままゴールの近くまで走ってきた。
「遼くん、おいでー!」
呼ばれたからには行かなくちゃね。
ってことで、俺は裕行会長と手を繋いで2度目のゴール。
裕行会長に紙を渡され、その中身を確認した審判は、今度は顔が真っ赤になった。目もつり上がって憤怒の表情だ。そして、マイクに向かって吠えた。
《「今すぐ押し倒したい人」だぁ? 誰だ、こんなお題作った奴は!?》
それを聞いた瞬間、俺は裕行会長を見た。
裕行会長は、にこにこ笑っている。
そこに、暢気な声が響いた。
「あ、ソレ作ったのねー、オレー」
出た。
ピンク頭。
審判はマイクを外し、ピンク頭と口論を始めた。
「なんでこんなもの作ったんですか!」
「えー、こういうのもあった方が楽しいじゃんかー」
「はぁ………来年への引継に1項目追加だな」
「あいかーらずアッタマ固いねー」
「小西くんが柔らかすぎるんだと思いますよ?」
オレもそう思いマス。
っていうか、今のであの人、ストレスたまったよ、ぜったい。
《えー、第9走者、A組のお題は「今すぐ押し倒したい人」で、連れてこられたのは佐倉遼くん》
審判は俺と裕行会長を一度見てから、再び口を開いた。
《いいでしょう、認めます》
その途端、歓声とブーイングが同時に起こった。
うーわー……集団が一度に叫ぶと怖いわぁ………。
何はともあれ、借り物競走は1位になりました。
◆◇
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