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アンタとオレの関係
尋問

俺の目の前には、先ほど有志たちと見ていたのと同じ紙切れが1枚。


「で? これはいったいどういうことなのかな? 遼くん?」

「遼……説明……」

「コレ、本当なの?!」

「遼ちゃんがタチ………」

「…………………………」


上から、裕行会長、譲先輩、宮古先輩、ピンク頭、夾。

はい、俺はいま、何故か生徒会メンツに攻められています。

その中でも一番怖いのは魔王・夾。


やましいことなんて何もないのに、その問いつめるかのような目を見返す勇気が、今の俺にはない。


「で?」

夾が口を開いた。

「本当はどういうことなんだ?」


なぜ詰問口調……。


「梅原恵とは知り合いなの?」

伺うかのような裕行会長の問いかけ。

なんだか心配そうだ。


『俺は、梅原恵とは知り合いじゃありませんし、第一、あの新聞記事だってだいぶ嘘が入ってます』


俺がそういうと、みんな安心したような顔をした。

そんな中で、未だに不機嫌そうな顔をしたままなのが一人。


「だいぶ? ってことは、真実もあるってことだよな? それに、この写真は? 合成か?」


その夾の言葉で、緩んでいた空気がピシッと固まった。ような気がする。


うっわ、この空気の中では答えたくねぇ!!!

『写真は…………合成じゃ、ない』


そう言ってから、目の前に座る夾と裕行会長を見る。


『こっちの写真は、いきなり向こうが抱きついてきたから、思わず抱きとめちゃったところを撮られたんだと思う』

「抱きとめる必要なんてないだろ? なぜ避けなかった」


だからなんで詰問口調なんだよ、夾……。

『相手、俺よりちっちゃかったし……デカいやつなら蹴りとばすなりなんなりしたんだけど……』

「じゃあ、こっちの、キスしてるやつは?」


ぅお?! 意外な伏兵だな、宮古先輩。


『そっちは………抱きつかれた状態のときに、相手のコが………俺の首が良い匂い、って…』(←自分で言ってて恥ずかしくなってきた)


おーい。無言とか、イジメですか?


そんな気まずい空気の中で。

『ひゃっ!』

「遼の首………イイ、ニオイ…」

「あー、ホントだ!」


ソファに座っている俺の後ろにいたマニアな二人組が、ソファ越しに抱きつくようにして、匂いを嗅いできた。


………くすぐったいいぃ。



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