アンタとオレの関係
太ったぶん足は遅くなります
声を出したのは有志・健ちゃん・夾・裕行会長の4人。
ホントに神出鬼没だよなぁ、夾と裕行会長。
「なんでいるかって………遼くんのいるところが俺の居場所だからだよ」
わけわかんないっす、裕行会長。
「俺も裕行もAクラスだからな」
こういう時、夾が本当にマトモな奴に見える。
『夾は2-Aで裕行会長は3-A?』
「そうだ」
なるほどー。
「話が逸れているんだけど。なんで佐倉遼くんは太ってはいけないんだい?」
忘れてたよ、なんだかよくわからん先輩。
「今のままで十分可愛いから」
俺は可愛くないデス、会長。
「ってかバカらしいだろ」
俺もそう思うよ……夾。
「太っても遼は可愛いだろうケド、抱き心地は今のまんまがいい」
コラわんこ!
「っつーか太ったら足遅くなんじゃね?」
唯一まともなこと言ったね、健ちゃん!
そしてそして。
初めましてな先輩はというと……
「足が遅くなるのは痛いな。やっぱり、佐倉遼くんは現状維持で!!」
単純っていうか何ていうか………。
『ところで先輩』
「なにかな佐倉遼くん?」
『さっきから思ってたんですけど、アナタ誰ですか?』
人に太れだの何だの言っちゃってさー。
俺は本当にわからなかったから聞いただけなんだけどね。
俺のこの一言で周りが凍りつきました。
そんな中、恐るおそる……といった感じで言葉を発した蒼太はある意味勇者だと思います。
「遼くん………その人が団長だよ?」
あちゃー………。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
その後、団長は他の体育祭委員との打ち合わせに戻り、俺たちも健康診断に向かいました。
そして、今は健康診断の結果を見せ合っている真っ最中。
因みに今この場にいるのは1年生5人組。
『俺、去年より5cm伸びた!』
「いくつ?」
『175cm!』
「フッ」
『あ! 今健ちゃん鼻で笑ったな?!』
「別にそんなんじゃねーよ」
とか言いながらすっげ勝ち誇った顔。
「まぁ俺は遼より10cm高い185cmだけどなー」
イラっ。
「あ、俺はさらに10cm高い195cm」
去年より11cmも伸びちゃったーなんて言ってるわんこ。
………俺と健ちゃんの妬ましい視線に気づいてないとは言わせないぞ!
いいんだもん。俺はこれから伸びるんだ!
来年こそは180cmの大台に乗っているハズ!!
「みんないいなー。僕は169cm」
「和巴ちゃんはまだいいじゃない。僕なんて168cmだよ?」
この二人組はやっぱり癒しだね!
◆◇
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