アンタとオレの関係
-03
上がる悲鳴にも似た非難の言葉に俺が驚いていると、夾が初音先輩からマイクを奪い取り、観衆に向けて一言。
「うるさい。黙れ」
……………静かにはなったけど、さ。
この手を離してくれればそれで収まる問題なのでは!?
そう思ったけど、なんも言わない。言えない。
言っても何も変わらない気がするし。
夾にマイクを渡された初音先輩が話し始める。
「最後まで残れた感想は?」
今度はマイクを渡された夾。が、そのままマイクを俺に渡してくる。
え、後輩なのに俺が先なの!?
『えっと………前々からこのイベントはすごい楽しみで…なにがなんでも残ってやろうと思っていたので、それが実現できて良かったです。……それにかなり楽しんじゃいました。特に最後、陣谷先輩との追いかけっこはヤバかったです』
と陣谷先輩に向けて手を振る。
わ、振り返してくれた!
…と、ほれ、夾の番。
「今日の午前中からずっと遼と計画を練っていたかいがありました。最後、陸上部の(陣谷先輩と鈴木先輩を指して)あいつらに俺は捕まったのですが、遼のおかげでここに立てました。………まぁ、鬼ごっこを一番楽しんでたのは遼だよな」
あははーまぁね?
事実なので頷いておく。
「はしゃぎすぎて終わったと同時に寝ちゃうくらいにな」
そう夾が言った瞬間、観客席から笑いが起こった。
ついでに
「「「遼ちゃんカワイー!!」」」
という野太い合唱も。
…………俺、ここでも子ドモ扱い??(←間違い)
そして夾はまた初音先輩にマイクを返した。
「では、鬼の上位5ペアには粗品を、上位3部は補助費の上限アップの約束を、生き残り組には食堂利用カードを差し上げます」
こうして俺は無事、食堂利用カードをゲットしたのでした。
それは大変嬉しいことなんだけど………
思いっきり走って、それで疲れたから寝たら…………腹が減りました。
◆◇
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