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雲雀×奏



とうとう来ました。
何がって?恭ちゃんの誕生日だよ!0時ピッタリにおめでとうを言えば押し倒されてそのまま手を合わして食べられた、金曜日ではないがおおめに見よう。
そして夜、料理を作り恭弥を待ちわびていた。何故か新婚の奥さんの気分がよく分かった

お風呂にする?ご飯にする?それとも俺?なんて言うつもりはさらさら無いが最後だけ言わないから言ってみたい願望はあった
それもこれも恭ちゃんのせいにしておこう


───────ガチャ
いつものように「ただいま」が聞こえないと思い、玄関に向かえば酷く苛立った様子の恭弥が立っていて水を飲んでいた

「おかえり」
「……ただいま」
ひしっと抱きつかれたのであのセリフを言う事にした。奏は若干空気が読めない時がある

「お風呂にす「奏」…ご飯に「奏がいい」…そんな選択肢ないんだけど」
「あとちょっと抱きしめられてて」
「?なんかあったの?」
ポンポンと背中を叩けば恭弥は顔を肩に埋めた。会社で嫌な事があったのだろうか?なんせ恭弥はエリートで大学を飛び級し自分と同じ会社系列へと就職をした、まだ20歳なのだ
上司に苛められたのだろうか?全く想像できないが


「たいした事じゃない」
「?本当に?」
「奏がキスしてくれるなら治る」
「甘えてる?」
「うん、奏が欲しい」
いつもならそのまま恭弥からキスされるのを待つが今回はそうでは無いらしい

「なんか言われたの?」
「………奏に告白する女子がいる」
「?」
「で、ムカついた」
「あ、そう…なの?」
「奏は僕のなのに…ムカつく」
よりいっそう強く抱きしめる恭弥に奏は不謹慎だがきゅーんと胸を締め付けられた、嫉妬深い所はいつになっても変わらないらしい

「俺は恭ちゃんのでしょ?で、恭ちゃんは俺のでしょ?」
「そうだよ」
「じゃぁ不安がらないで、俺は自信満々な恭ちゃんが一番好き」

「………ムカついたけど殴らなかったよ、女の子は殴ったらダメなんでしょ?」
「うん、偉いね恭ちゃん」
頭を撫でれば弱い声で呟いた

「地球上で僕と奏だけだったらいいのに、だったらこんな姿…奏に見られない」
「俺は嬉しいけどなぁ、嫉妬してくれたらなんか…ね?嬉しい。俺も恭ちゃんの周りにいる女の子に嫉妬しちゃうよ、でも恭ちゃんは俺にしか好きとか言わないから信じてる。恭ちゃんは信じられない…かな?」

「その言い方ズルい、僕が信じてないなんて思ってるの?」
「思ってないよ、今日は恭ちゃんの誕生日だよ?卑屈にならない!んで俺がアラジンになってあげるよ」

「………………アラジン?」
恭弥は収まったのか埋めていた顔を上げ奏を見た、表情は思ったより大丈夫そうだ

「うん、魔法のランプ、俺が恭ちゃんのお願い3つ叶えてあげる。はい1つ目は何でしょうかご主人様」
少し笑いながら言えば恭弥は口端を上げ奏の頬を包んだ


「キスして、深いの」
奏は恭弥の首に腕を回し少し角度をつけ唇をくっつけ舌を入れた

「ぅ、んン」
離れれば荒い息づかいで呼吸を整えた。恭弥は満足そうに笑い奏の額に唇をスタンプのように押した


「2つ目のお願いは?」
「ご飯食べたら一緒にお風呂に入って一緒に寝て」
「………2つになってるよ」
「気のせいでしょ」

「じゃぁご飯食べよう!今日はご馳走なんだからね!」
パッと離れた奏に恭弥は腕をつかみ再びこっちを向かせた

「3つ目のお願い」
「あ、うん!どうぞ」
「結婚しよう」
「うん」


「「………………………」」




「……………今なんて言った?」
「だから結婚しよう奏」
「えっ!………嘘!!!!!?」
真剣な顔をする恭弥に奏は顔を真っ赤に染め慌てた。だが掴まれた腕を振り払おうとはしなかった

「意外だね、群れるのなんて御免だと思ってたんだけど…君無しで生活している僕が想像出来ないんだ。それに僕以上に奏を幸せに出来る奴なんて居ないでしょ?奏は僕と結婚するの嫌?」


「い、いのかな…?」
「なにが?」
「俺と恭ちゃんは男同士で…」
「奏が僕をいらないなら結婚しない」
「い、いるよ、恭ちゃんを他に譲れないしあげない」

「なら、」
「でも…」
「なにか気になるの?」
「…子供が欲しいんだ…俺と恭ちゃんの…出来ないってわかってても欲しい」
キュッと服を握った奏に恭弥は頭を撫で告げた

「願いを叶えてあげる」
「?」
「3つ言ってごらん」

「……………恭ちゃん」
「ほら、今欲しい物全部言って」
優しく甘やかす言葉に奏は恭弥の胸元に頭を押し付け消え入りそうな声で伝えた


「子供が欲しい」
「うん」
「ずっと俺の傍にいて欲しい」
「うん」
「結婚して欲しい」
「うん」
顔を染める奏に恭弥は上を向かせ唇を塞ぎ左薬指に証を授けた


「僕が奏の願いを叶えてあげるよ、絶対に」
「俺も恭ちゃんのお願い叶えるよ」
もう片方の指輪を恭弥の薬指にはめた、9号の俺の指の太さにはぴったりな指輪だった

「もう離してあげない」
「離れないでよ」


「愛してる、幸せにしてあげるよ僕が」
「もう幸せです」
ぐりぐりと頭を押し付ける奏に恭弥は目を細めた、これは幸せによるものからだろう

自分達を繋ぐのは指輪と言う物質では無く見えない赤い糸だねと恭弥に言えば、当たり前でしょ?奏は僕を幸せにするために生まれたんだからと言い切った
「恥ずかしいセリフを平然と言うよね」
「なに?文句あるの」
「ないよ?」
隣にべったりくっつく恭弥は普段の姿からは想像出来ない。自分の作ったご飯をおいしいと言って食べてくれるなんてこれ以上嬉しい事はない。
コテンと頭を恭弥の肩に乗せ手を上げ指輪を見上げた

「?」
「俺、恭ちゃんとなら地獄に行ってもいいよ」
「なにそれ」
「もしもだから、俺は天国に行けると思うんだけどね」
「僕がいるのに地獄な訳ないでしょ」
「いや…まぁそうだね」

ふふと笑って恭弥を見れば愛しそうに目を細められ奏は惚けるように恭弥を見て、何の合図も無く目を閉じた




最短赤い糸伝説
(奏)
(恭ちゃん)
(なんか恥ずかしい)
(俺も思った)

…………………………………
Iam... : 恭弥×奏



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