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南波×雲雀



とうとう来てしまった。5月5日
こどもの日、端午の節句
皆はそう思うかもしれないが…ここではそうではない

雲雀恭弥様々のお誕生日であらせられるのだ。去年は忘れて酷い目にあったと言うか…しばらくし口を聞いてもらえなかった。だから今年は家のカレンダーにでかでかと書いたり携帯にもアラームでカウントしたらと忘れないように必死だった

そして当日、失敗した
なににかと言えばあれだ。俺は朝練だった事と学校が休みだった事だ


「恭弥いっかなあ?」
「いんだろ、あんな学校好きなんだから」
「ちょ、電話してみるわ」

─────R R R R R
「なに?」
「今どこ?」
「家」
「マジで!?今終わったから一緒に遊ぼーぜ」
「なんで?」
「えぇ?それ言わなきゃダメ?てか遊ぼって約束したじゃん」
「……どこで遊ぶの?」
「俺ん家」

「………南波の家?」
「そ、迎えに行こうか?」
「僕が行く」
「あ?そう?じゃぁ片づけとくわ」
そう言えば電話は切れた。


「委員長って南波の家知ってんのか?」
「いーや?確か来た事ねーと思うけど、まぁ恭弥ならわかんだろ」
「お前…委員長過大評価直せよ」
「ばっか恭弥に過大もなんもねーだろ」
南波は学校のシャワーを浴び制服に着替え始めた。山中は少し呆れた目を向けるが確かに恭弥が間違うなんて想像しかねるので何も言わなかった



───────ピンポーン
チャイムが鳴り開ければ制服を着てない恭弥が立っていた。
「なんか制服じゃねーと雰囲気ちげぇな」
「なにそれバカにしてるの?」
「え?誉めてんだけど」
「ふーん、そう」
会話は切れ南波の部屋に入った。割と広く綺麗でやはり野球部なのかバットやグローブ、しかも体重グラフや体脂肪グラフまであった、あとポスターも

「(意外に細かい)」
そしてデカデカと書かれたカレンダーには『恭弥!忘れんな』と書いてあった、これでは自分が言い聞かせているようにも思うがあえて口にはしなかった
そう、忘れてないなら別に構わない


「お茶でいーよな?」
「お茶しかないんでしょ」
「よくおわかりで、てゆーか初めに言わなきゃだったんだけど!誕生日おめでと」

「覚えてたんだ」
「そりゃぁ去年泣きそうだったしさ」
「へぇ、まぁ君にしては偉いじゃない」
「てかケーキとか甘いのそんな食わねーって言うからオレンジのババロアケーキにしたから、あとケンタとか」
持って来た南波に恭弥は意外そうに顔を見た。

「ババロア食える?」
「僕に好き嫌いなんてあると思うの?」
「ねーけど気分じゃなかったら食べねーじゃん」
「うるさい」
ロウソクを立てるが年は教えてもらえなかった、きっと年上だろうなと南波は思いつつチャッカマンで火を灯し恭弥はキラキラした目で火を消した

(かわえー)
にんまり笑うと恭弥は顔をしかめ「なに」と聞いて来た、その顔も可愛いなんて思った事は黙っておこう


「うまい?」
「悪くないよ」
「まぁたくさん食え」
「言われなくても食べるよ」

「じゃじゃーん」
「?」
「誕プレ〜」
箱を3つ渡された
はじめに大きい方を開ければ言葉を失った


「………………漂白剤」
「そ、白カッター汚れっからなこれで真っ白」
「…………………」
次に恭弥は一番小さい箱を開けた


「………………なにこれ」
「救急セット、怪我しねーけどしたら困るから絆創膏と消毒液とガーゼとか」
「祝う気あるの?」
「え!?なんで?ケンタのタダ券の方が良かった?つーかあれは2人で行こうと思ってたからさ」

「………………」
恭弥は最後の箱を見て、ゆっくりめに開けた

「!」
ばっと南波を見た


「いや、その…なんかお揃いって憧れるなぁっていや!ミサンガなんだけど…恭弥はしないかもだけど!」

焦る南波に恭弥は色違いのミサンガを取った。ミサンガと言っても1つ3000円ほどするのだろう、南波は恭弥に安物はあげようとはしなかった。南波の中での恭弥はなぜか金持ちと言うか価値の有るものをつけているイメージがあるのだ。あくまでイメージだが

「デザインいやだった?てかミサンガがいやだった?指輪はまだ中3だし早いかなぁって…なんか言えよ!」

「君にしてはデザインいいね」
「そ、そりゃどーも」
「僕は黒がいい」
「だと思ったからちゃんとネーム入れてる」
M to Kと裏側に書いて有りやはり南波は服装や格好といいセンスは悪く無かった

「じゃぁ俺白な」
「お揃いなんて買うんだね君」
「!ばっわりぃか」
「別に」
「恭弥は一様風紀委員長だからな、足にでもする?」
「君はどっちにするの?」
「んー腕かな?」
「じゃぁ僕もそうする」
「あ?そう?」
南波は恭弥の左腕につけ、自分の左腕にもつけた。ベッドに座っていた2人、南波は恭弥の顔を見て思い出したように名前を呼び、振り向いた瞬間。唇を当てた

「「……………………」」
「え、あっその…」
「なんでやめるの?」
「恭弥が倒れっからだろ!?俺が押し倒してるみたいじゃん!」
「やるんでしょ?」
「やっやらねーよ!山中が誕生日にはこれするって言うから…」

ごにょごにょと尻すぼみで小さくなる南波に恭弥は不機嫌そうにしながらもやはり愛し存在なのか口端は上がっていた

「まぁ悪くないプレゼントだね」
「!」
「でも君がもう一回してくれるなら素直にお礼を言えるかもしれない」

チラリと恭弥は南波に視線をずらし不適に笑えば南波は顔を真っ赤にして右手で隠した

「(かわっかわいい!)」
「ねぇ聞いてる?」
「あーもう好きだよ恭弥っ!」
「!」

南波は言ったと同時に口を塞いだ



3つの箱の答え
(顔真っ赤)
(恭弥だって真っ赤)
(もう、一回して)
(え゛っ)

………………………………………
ファースト・ラブ : 南波×恭弥


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あきゅろす。
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