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雲雀×翠



今日は僕の誕生日だ。
だから翠を呼んで祝わせようとすれば草壁から翠のスケジュールを渡された

朝:綱吉と動向

昼:骸とクロームとの対談

夜:雲雀と対談

世話係の癖になかなかハードな1日だな、と妙に見下した。雲雀は青い空を見ながら夜が更けるのを待った

でも思ったより夜が更けるのは遅かった。雲雀は暇を持て余し廊下を歩いた

「(翠は僕のなのに…ムカつく)」
むかむかしながら歩けば前からツナと翠が歩いて来た


「おはよーさん雲雀さん」
「(むかっ)」
「おい!なんで無視すんねん」
それさえも無視してひたひたて歩く雲雀に翠は首を傾げて雲雀の背中を見、引っ張った

「どないしたん?」
「ムカつく」
「なにが!?」
「君が」
「なんでやねん、僕なんかした?」
「…………………」
「??黙らんと言うてや」
低い位置から見上げる翠に雲雀は困った、理由は簡単だ。こんな幼稚な感情をどう説明していいかわからないのと、説明してどうすると思ったからだ

「言っても君には理解できない」
「?言うだけ言えや気になる」
「ずっと気にしてなよ」
(そうすれば君の中に少しでも僕が存在する)
頭を傾げる翠に雲雀は口端を上げツナを見た、その目は少し嫉妬に狂っている。ツナは焦ったり困った顔をしながらも黙ったままだった


「よぉわからんわ」
去る雲雀に翠は息を漏らすような声で呟いた




「今日の翠は元気…ない」
「え?そうか!?」
「うん、骸様も心配してる」
「本間クロームは骸好きやな」
頭を撫でればクロームは顔を赤く染め俯いた

「って骸になっとるし」
「クフフお久しぶりです翠」
「2日前に会うたやんか」
「そうでしたか?」
「おー」
「………元気がありませんね」
「なぁ、なんで雲雀さん怒ったと思う?」
チラリと見れば骸は多少不機嫌な顔をした

「それを僕に聞きますか?」
「いやもぉわからんし?骸って何でも知ってそうなイメージやし?」

「不機嫌な理由なんて山ほどありますよ、名前で呼ばないだとか一緒に居れないとか…」
「なんか謎やな」

「まぁ独占欲の塊ですからね、僕は大っ嫌いですけど」
にっこり笑う骸に翠はあえてスルーした。


「でもなんか引っかかるんよな〜雲雀さんはそんなんであれだけ機嫌悪ならんねん、俺なんかしたんか?」
「………………」
(絶対に教えてあげませんよ、雲雀くんが誕生日だなんて…翠は僕の物だ)

「後で聞いてみるわ」
「えぇ本人に聞けばいいと思います」
「なんや骸って兄ちゃんみたいで頼れるわ」
「……………兄…」
「か、おやじやな!また相談聞いてや」
「…はい、喜んで」
骸は多少放心状態に近いくらい泣きそうになっていた。

「骸、おおきに!僕骸みたいな人と知り合えて嬉しいわっ好きやで骸みたいなん」
「!」
「ほな時間やからまた今度な、電話とかいつでもして来てな」
「はっはい!」
最終握手をして部屋を出た、頬を染める骸に翠が気づくはずなかった



「失礼しますぅ」
靴を脱ぎ着物へと着替えをすますと不機嫌な雲雀と目が合いそらされた

「なんで無視するん?」
「別に」
「別にやないやろ、小学生か」
「バカにしてるの?」
「してない、呆れとる」
「なんで君が呆れるのさ」
「雲雀さんが僕に言わんからやろ?ちゃんと言うて聞くさかいに」

「………………これは僕から言うもんじゃない」
ぷいっと顔をそらす雲雀に翠は頭を傾げ影に映るフランスパ…草壁に相談しに行った、そして畳を荒らすように勢いよく走り戻って来た

「寝んなよ!ちょぉ待っとき」
焦った声に雲雀は呆然と見、小さい背中が消えるまで見ていた


──PM 11:24

────────PM 11:38


───────────PM 11:49
しまいにコクリコクリとうたた寝をしそうになる雲雀はふと時計を見た



──────────────PM 11:58
あぁもう1日が終わると思ったらラスト1分に凄い勢いで入って来たのは翠だった


「っおめでとう!!!雲雀さん誕生日おめでとっ!!!!」
言い切ったと同時に12時の鐘が鳴った

「日にち変わってしもた…本間にゴメン!僕…雲雀さんの誕生日知らんくて…しかもプレゼント今作ったし…」
「プレゼント?」

「対したもんやないんやけど」
折り畳まれた紙には上の方に「雲雀専用」と書かれており内容はかたもみ・膝枕・話し相手・読書・散歩なとが書かれていた、キリトリ線までも丁寧に作られており切符のようだった。しかも無料とまでご丁寧に書かれてある

「?最後2枚白紙だけど」
8つを5枚分、つまり40回分あるのだがそのうちの16枚は白紙だった


「それは雲雀さんが書き、喜ぶん何か解らんかったから」
それを聞いた雲雀はそこにあったペンを取り白紙を埋め「はい」と翠に渡した

「はい?」
「嫌かい?」
「いや…ちゃうけど」
「じゃぁ早くして」
ポンポンと近くの畳を叩かれ横に座ると抱きしめられ押し倒された

「なんやこれ」
「抱き枕、僕の言うこと聞くんでしょ」
「いや、まぁ…うん。てかおめでとうな雲雀さん、これからもよろしゅう頼むわ」
頭を撫でれば雲雀は翠の首に顔を埋めた

(祝われた中で一番、嬉しいなんて可笑しい)

(でも)


(今は)




(この子を放したくない)
ギュッと抱きしめれば翠は耳元でおやすみと言ったので雲雀はゆっくり目を閉じた




23時間59分の不安
と1分の幸福論

(寝たんか?)
(うるさい)
(はいはい、よぉさん寝り)

……………………………
恋であるうちに:雲雀誕生日編



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