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南波と恭弥



「野球拳をしようか」

「は?」

「まさか野球拳を知らないわけじゃないよね?」

「…知ってるけど」

「じゃぁしよう」

「なんでいきなり?」

「なに?僕に負けるのが嫌なのかい?そうだね、だったら考えてあげなくもないけど」

「っな!やったろうじゃないか!!」

「(かかった)」

「なんか今変な笑い方しなかった?」

「野球部が野球拳で負けたら面子丸つぶれだね、」

「ぜってー勝つ!維持でも勝つ!」

「負けたら帰り奢りだからね?」

「かかって来いやぁぁあ!!!」

「「最初はグー、ジャンケンぽん」」

「よっしゃぁ!」

「…仕方ないね」


「「ジャンケン──…」」


4回目
「「ジャンケン───…」」





6回目
「「ジャンケン────…」」


「ちょっ待って!」

「なに?」

「なんでそんなに強いんだよ!?」

「偶然でしょ?」

「だって恭弥、初め負けて学ラン脱いだだけじゃん!」

「南波はもう半裸だもんね?」

「ぜってーズルしてんだろ!?」

「ジャンケンでどうやって反則するの?」

「後出し」

「僕がしてるって言うの?」

「してない!」

「単に君が弱いだけだよ」

「えー?」

「(あ、またチョキだ)」



*

「えーなんでぇ!!!?」

「もうパンツだけだね」

「寒い!」

「だろうね」

「つーかこれ以上脱げないから!」

「じゃぁ僕の勝ちだね」

「てか何でそんなに強いんだよ!」

「さぁね」
(チョキ出すときにぎゅっと手を握るなんて言えないよね)



「服きてい?」

「着なよ」

「うわっ!」

「っ!」

ドサッ


「いっつー」

「……今どきズボンに躓いて転ける人なんていないよ」

「……すいません」


ガチャ

「委い…………」

バサバサバサ


「しっ失礼しました!!!!」

「「……………………」」



「な、泣いていいですか?」

「いいじゃない見られても」

「裸で押し倒してんだぞ!?」

「まるでえ「うわぁぁぁ!」」

「なに?」

「恭弥が変な事を言おうとしたから」

「僕たちの状態の方が変だと思うけど」

「そうですね、」

「なんて顔してるの?」

「だって明日からどんな顔で草壁さんに会えばいいんだよ!」

「何時もの顔でいきなよ」

「厚顔無恥!」

「ワァオ。君からそんな言葉が出てくるなんて思わなかったよ」

「あぁぁぁ最悪だぁぁあ!!」

「いいじゃない、どうせいつかはするんだから」

「ほんっとそうゆうの止めて下さいよ恭弥さん南波泣いちゃう!」

「鳴かしてあげるよ僕が」

「ヒィィイ!!!止めろ真剣!!!」

「冗談だよ、早く服来て」

「冗談言ってる顔じゃありませんでした」

「うるさい」

「で、どこでご飯食べる?」

「料亭に行こうか」

「…………泣いてい?」

「なんで?」

「はい、ケンタ決定ー」

「なに言ってるの?料亭もしくはフレンチが食べたい」

「学生の財布をなめんなぁっ!」

「どうゆう意味?」

「フレンチとか料亭とか無理」

「………………」

「俺が稼いだら連れて行くから待ってろよ」

「!!!!」
(それってつまり、それまで一緒にいようって事?)

「さ、帰んぞー」

「君、バカだよね」

「え?なにが?」


野球拳とその先
(本当にバカでどうしようもない)
(まぁ恭弥がいるから大丈夫だろ?)
(…………バカ)






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