横隔膜とさよなら あの後、綱吉と一線を越えてしまった俺は見事に亭主関白な夫を手に入れてしまた妻的な立場になっていた。なぜ俺が女役なんだ?と聞いた所、「翠は可愛いから」ですまされてしまった。抗議したい所だが言いくるめられるのは目に見えているので何も言わない。口を開くのも面倒だ 「翠、今日はツナ達と食事会だったよな」 「あァ、」 「(顔が嬉しそうだな)」 「ロマーリオ連れて行かねえと出入り禁止になるぞ」 ふくくと笑う翠にディーノは困ったように笑った。 「てかツナってそんなにヤキモチ妬きだったか?」 「さぁな、まぁ嫉妬深いのは確かだ」 「いやに嬉しそうだな」 「まぁ…愛されてるから、綱吉は他とは替えがきかないのは確かだ」 タバコを銜える翠は前に比べれば明るくなった。鬼のように鳴り響いていた携帯も最近は少ない。寝る前にかけているのを見たくらいだ、とディーノは横目で翠を見ていた 「ツナが好きなのか?」 思わず聞いてしまった質問に翠は少し笑って「結構、好き」と言った。いつも恋愛系の言葉を濁す翠だが前に曖昧な言葉を言うも「好き」とハッキリ言う翠にディーノは少したじろいだ 「あァ、綱吉からだ」 携帯を片手に少し席を外し壁に背中を預ける翠は少しニヤついている。アフレコをするのならきっとこうだろう 「まだ着かないの?」 「あァ、まだ準備している所だ」 「えー早く来てよ」 「今夜は丸々空いてるから」 「へぇ〜、それだけ俺に犯されたいんだ?」 「綱吉が俺とシたいんじゃないのか?嫌ならしないが」 「また試すような事言って…知らないからね、今夜苛めるから」 「さすがにそれは嫌かな」 くらいだろう。新婚さんみたいな2人にディーノはいよいよ恋人が欲しくなっていた。どうしたものか、このバカップルは、と頭を悩ましてしまう。電話を切ると翠はタバコを探って一本取り出しすぐさまディーノの横に着いた あの後も嫉妬深い綱吉に何度か離別の危機を乗り越えて来た。綱吉は謝らないがいつも丸め込まれ終わる。愛されているのは確かだが意外にも自己中な綱吉に年上の翠が振り回される、だが翠もさほど嫌ではないらしい。そもそも翠は甲斐性がある、世話好きなのもあるから余計綱吉の性格を受け止めてしまう それがまた、綱吉を甘えさせるのだ 「翠、まだかな〜」 綱吉はそわそわしながら玄関回りをうろうろしている。それを見たリボーンは綱吉に「なにそんなに慌ててんだ」と声をかけるも綱吉は「心配なの!」と言ってまたそわそわしはじめた 前にこんな事があった。翠がボンゴレに来た時、たまたま出迎えたバジルに差し入れでシュークリームを渡した。大ぐらいのバジルは嬉しそうにお礼を言えば、翠の手は自然とバジルの頭に向かい、少々喋り込んでしまった。いや時間的には全然大丈夫なのだがそれを見た綱吉は真っ黒な貼り付けた笑みで近寄り翠を問いただしたのだ。それを精密に再現すればこうなる 「なんで直ぐに来ないの?」 「ちょっと話しただけだろう?」 「(むっすー)俺を優先するって言ったくせに」 「全部が全部は無理だ、そこは臨機応変にしてもらわないと困る」 「ふーんそんな事言うんだ?」 「いい加減にしろ綱吉」 「俺だっていちいちそんな事言いたくないよ!でも…不安なんだもん」 「不安?」 「前まで俺そっち除けだったくせに」 「………………綱吉」 「ちょっとでも一緒にいたいじゃん」 「あぁ、もう俺が悪かった。だからもうそんな顔をするな」 そんな顔とはキュルンとした小動物のような顔だ。翠はその顔に弱い、そもそも翠は小動物っぽいもの、可愛いものに目がないのだ。それを綱吉が知らないはずはない 「翠、」 「ん?……………なんだこの体勢」 「エッチしたくなっちゃった」 「なっ!………はぁ、」 「そんなため息つかなくてもいいじゃん」 「そう言いながら手を進めるな綱吉」 「え?ダメ?」 「うっ」 「翠、しちゃうよ?」 「あーもう勝手にしろ」 最後は必ず翠が流される。それだけ綱吉が上手いのもあるが翠が綱吉に関しては流されやすいのがそもそもの原因なのだ。リボーンは未だそわそわ玄関の前でうろうろしている綱吉に翠が可哀想に思えた 「(本当に翠はとんでもねー奴になつかれたな)」 その数分後に来た翠に綱吉は尻尾をブンブン振って抱きついた、がそのままベッドインするのはリボーン意外予想出来なかった (本当にはた迷惑なカップルだな) |