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可憐少年



「淡宮彗星」
ぺたりと会議室のように長い白い机に顔を伏せ寝ている彼の名前を呼んだ
すると彼はゆっくりを体を起こし寝起きで目元を擦る姿は少し幼く見え長い睫毛から覗く赤い瞳


「ほし」
「…………?」
「俺の名前、すいせいって書いてほしって読むの」

「…あー悪い」
「ん、おやすみ」
「え!?おい」
呼び止めた彼の話を聞かず幸せそうに眠る彼を見て口を出すのを止めた




それが彗星と颯真の出会いだった











「っくあーよく寝た」
大あくびをし色素の薄い頭をぐしゃぐしゃ掻くと横から凄い勢いで殴られた


「いってー!!!」
「目、覚めたか?」
「え?あ覚めた」
再びあくびをすると目の前の金髪は少し呆れたような顔をして一冊のノートを差し出した


「ん?なに?」
「今日の化学のノート」
「あーうん」
「寝てたから貸してやる」
「どうも…委員長だよね?」
「そうだ、日暮颯真」
「ひぐれそうま…」
「あぁそうだ」
頭が回っていないのかぼへーとした顔で見ている彼、真っ赤な目と目が合い自然と目を反らしてしまった


「じゃぁひーちゃん?」
「は?」
「やっぱそうちゃんかな?」
「なにが?」
「徒名、なんかそうちゃんの方がしっくりくるからそれで」
勝手に決めている彼に呆然と立ち尽くす。



「勝手に決めるな!」
「すっごい金髪、しかも紫。カラコン?」
受け流し話を変える彗星に颯真は一瞬高ぶった感情が沈下した

「え?地だけど」

「うわぁ綺麗だね」
「!!!!」
にっこり細められた赤に颯真は顔を真っ赤にした。



そして、男子やら女子やらがしていた噂を思い出した、伊達じゃない。
彼は周りから眠り王子と呼ばれている、女子がキャーキャーゆっているのも納得する。綺麗なのだオーラが違う。口を開くたびに尖った八重歯が見える


「お前の方が綺麗だろ」
キラキラ光る銀髪と赤い目、体型が細身で白い肌は何故か直視出来なくなった。言った言葉は彗星に届いてなくて首を傾げられた





「で、そうちゃんはどうかしたの?」
定着した徒名に顔を歪めながらも「鍵頼まれてるから」と言った。

「え?待っててくれたの?」
「違っ!!!!」
真っ赤になった彼に彗星はにっこっと笑って「ありがと」と言って帰る用意し、ドアに向かって出て行き、戻ってきた



「忘れ物か?」
「んー違う」
その言葉に首を傾げれば彗星は言い忘れてたと言って手を上げた

「そうちゃんまた明日ね?バイバイ」
手を振って帰る彼に颯真は夕暮れで赤くなる教室に残され早くなった鼓動に左胸のシャツを握った





「な、なんだ………?」












出逢いは夕暮れ
(突然、爆発した心臓)



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