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我が儘を聞いて



 私はね、少し我が儘な小娘なのです。お父様やお母様の財産に齧り付いてこの生を成す、自立も出来ぬ小娘なのです。働き方も存じませんし、知らない殿方に嫁ぐのも嫌ですし、何しろ、私はお父様やお母様が絶対にご反対なさる貴方が好きなのです。銀時様。お慕いしているのです、小娘ではなく女として。貴方様が私をそういう風にご覧になった事がないのも、身分の差というのも理解しているつもりです。
 だけれども、私は未だ自分の足で立つ事も出来ない我が儘な小娘でもあるのです。そんな事を理解していようといまいと、貴方様へのこの焦がれる胸の内はどうにも覆りそうにありません。どうぞ、私を我が儘な小娘とお呼びになられても構いません。お父様とお母様に勘当されても、もう宜しいのでは、とすら思っております。それ程までに、私の心の臓は貴方様への焼ける想いで今にも焦がれてしまいそうなのです。どんなに腕の優れたお医者様だって、この病を治せは出来ないのです。私は、とうとうこの歳で不治の病に犯されてしまいました。死ぬまで、勿論死ぬる覚悟はとうに出来ておりますが、私はこの胸の焼け焦げる苦しい思いを一生しなければならないのです。
 でもね、銀時様。私は未だ我が儘な小娘なのです。痛いのも、苦しいのも、辛いのも、悲しいのも、悔しいのも、嫌な物は嫌なのです。私は、このまま心の臓を焦がし続けるのも、諦めて好いてもいない殿方に嫁ぐのも、何も出来ずにいき遅れになるのも、嫌で嫌で仕様がありません。
 銀時様、貴方様ならきっとこの苦しみを打ちのめしてくれると思うのは、いけない事でしょうか。女が好きな殿方と結ばれるのはいけない事でしょうか。身分とか何だとかで私がお高く止まった魅力のない、言うなれば財力しかない殿方に輿入れするのは、仕方のない事なのでしょうか。私は、銀時様の奔放さが恋しゅうて堪りません。どうにかして、貴方様と楽園に召されたいのです。
 私は、未だ少し我が儘な小娘なのです。我が儘を聞いては下さりませんか。



fin


アニメの銀ちゃんかっこよかったなあ…´ω`






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