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宇宙一の君





大好きとか、愛してるとか。
わざわざ御託並べられなくとも分かってるし。辞書を開けば直ぐに出て来る。
それでも、心の中にあるこの気持ちがそーいう、大好きとか、愛してるとか?そんなもんだって気付くには時間が掛かった。
でも、愛してる。
愛してる愛してる愛してる。大好きで、心臓破裂しそうで、命掛けて守ってやりたくて。
王子が、お前にこの気持ち無理強いさせてる、なんて言わせねーから。

「なあ、姫は俺の事好き?」

後ろから抱きすくめたその身体に少しギュッと力を込めて、そう耳元で囁けば姫の身体はビクリと揺れた。可愛い奴、と思った俺は相当溺愛してるのかもしれない。
口許がニヤつくのを精一杯封じ込めて、隠すように姫の肩に顔を埋めた。

「どうしたの、ベル…?」

姫の良い匂い。自分自身ちょっと変態チックだと思うけど、王子をこんなにさせた姫が悪い。
姫の問い掛けに、少し唇を尖らせながら口を開閉する。

「…俺の事嫌い?それとも好き?」

「言わなくても、分かってるでしょ?」

「ししっ、ちなみに好きとしか言わせねーから。」

恥ずかしいのか不貞腐れたように呟いた姫の唇を、王子ので塞いでやった。柔らかい姫の唇。
酸素を奪うように思い切り深くしてやると、姫がそれこそ思い切り俺の背中をどんどんと叩く。痛くも痒くもない可愛い抵抗。仮にも天才な暗殺者である王子と、その恋人の極普通の一般人な姫。可愛さは天下一級品だけど。
息苦しくなったのか姫は、目尻から一筋涙を零した。それはそれで誘ってるようにしか見えないけど、姫を苛める程王子も意地悪じゃない。
唇をゆっくりと離してやると、姫は荒い呼吸をしながら堰を切ったように声を荒げる。

「っ…ベルの馬鹿!変態キス魔!破廉恥!万年発情期!」

「うししっ、それでー?」

涙目になりながら王子の事を変態呼ばわりする姫。勿論、他の奴だったらその時点でサヨナラ。
姫だから許してやってるし、こうやって言われてもその姿さえ可愛くて笑みが零れる。だって、顔を真っ赤にして涙目で言うんだぜ?俺以外の誰が見たって絶対可愛いと思う。見させてなんてやらないけど。
続きを促せば、姫は真っ赤な顔を隠すように俯いた。

「………でも、大好き、…だよ。」

本当可愛い奴。
頑張った証に頭を撫でてやると、姫はううっと呻き声を上げて、とうとう泣き出した。わんわんと赤ん坊のように泣く姫がなんで泣くのか意味は分かんないけど、それで自分から俺の胸に飛び込んで来たから良いとする。
なんか、役得っつーの?これ。

「よく言えましたー。偉い偉い。王子も姫大好きだから、泣きやめよ?」

ぐすっと鼻を啜る音がしたと思えば、姫はゆっくりと王子の方に顔を向けた。
けど、俺は姫が大好きって言ってくれたり、抱き付いてきたりと、嬉しい事ばっかりだったから、物凄く満面の笑み。仕方ないだろ。
でも、姫はそれを見てまた声を上げて王子の胸に顔を押し付けた。姫には悪いけど、今はまだ暫くこのままで居たい。
そんな風に思う俺は、多分相当イカれてる。



宇宙一の君
(お前の愛してるよりも)(俺の愛してるのが絶対デカい)


50000hitThanks!!

アンケート二位のベルちゃんでした。ちなみにこういう機会ぐらい普通の可愛い夢を書こうと思っています。アンケートご協力して下さった方々、ありがとうございました。
荊的にもめちゃくちゃベル書きやすくて、楽しかったです。

それでは、50000hit本当に本当に、ありがとうございました。
皆様へ、日頃の感謝を込めて。




ちなみに、フリーですので、ご自由にお持ち帰り下さい。




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