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夢を見る少女は
[赤緑]クリスマスの日は(2)

「すまないな、真太郎。」


「別に構わないのだよ。」



俺は約束に間に合わなかった。理由は、真太郎に渡すクリスマスプレゼント。思っていたよりも店が混んでいて、受け取るのに時間が掛かってしまった。



「真太郎寒く無かったかい?」


「あぁ。」


「秀徳はどうだい?」


「まぁまぁなのだよ。」



取り敢えず聞きたかったことを一通り聞く。本当ならそれだけだったはずだ。だが、約束に遅れてしまっても文句の一つも言わない優しい彼に「いじめたい」と言う気持ちが芽生えてしまった。



「僕に会えなくて寂しかったかい?」


「なっっ」



みるみる顔を赤く染める真太郎。それを見て嬉しくなってしまう僕って一体。



「寂しくなんてなかったのだよ。」


「へぇ、そうなのか?要件はプレゼントを渡すだけだったしな。では、僕は失礼するよ。」



テーブルにプレゼントを残し、ガタっと椅子を引き店を出ようと出口に足を運ぶ。もちろんフリだが。引き止めてくれなかったらーーー



「ま、待つのだよ」


「どうかしたかい」


「さ、寂しかったのだよ。お前に会えなくて」



引き止てくれなかったらーーー何て考えるだけ無駄だったな。その言葉を聞き出口に向かうはずだったはずの足を真太郎のいる方へ向ける。そして、先ほどとは違い真太郎の隣に座る。



「な、何で隣なのだよ!」


「そんなの決まってるじゃないか。」



僕は真太郎の唇を奪う。







「今は真太郎は僕の物だろう?」



クリスマス。大切な、愛しい人と会える。それだけで僕は幸せだ。


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