恋揺
「ユイ?」
「あ、アレン!!おかえり!!」
「ただいま。…どうしたんですか?」
「何が?」
「いや…なんかいつもと違ったんで…
何かあったら相談して下さいね?」
アレンは微笑み、部屋を出ていった。
「アレン…」
♪〜♪〜
ラビからの着信だった。
いつもだったら嬉しいのに、今日は複雑だった。
翔也の事は絶対言いたくない。
「…もしもし?」
『ユイ?』
「うん」
『…どしたの?』
「…何もないよ?」
『じゃ、なんで帰ったさ?』
「何でって… 帰りたかったから帰っただけだよ?」
『…俺には言えない?』
「…え…?」
『じゃあ、おやすみ』
「え、ちょ、まって!!何怒って…」
電話は切れていた。
「…ラビのバカ…!!」
くしゃ
立ち上がった時、何かを踏んでしまった。
「あ…」
翔也の電話番号を書いたメモだった。
大好きだけど、叶わないかもしれないヒト
大好きだった、あたしを想ってくれたヒト
あたしは、ゆっくり携帯を開いた。
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