恋兎
俺は、ユイが好きかもしれない…
いや、多分、好きなんだと思う。
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ユイを意識し出したのは、多分
……中学の時……
あいつに彼氏がいた。
すぐ別れたけど。
容姿だけで付き合ってたからだ。
ちょっと可愛いからって、いろんな男が寄ってくる。
可愛いのは分かるが。
それからも、ユイは、付き合っては別れを繰り返していた。
皆、可愛いだけで、簡単に付き合い、簡単に別れる。
平気な顔してっけど、あいつも少しは辛かったと思う。
でも、そんなことが起こる度に、俺は、喜んだり、惜しんだり。
この気持ちにとまどいを隠せていなかった。
けど、その時は、こんなに考え込む暇はなかった。
今考えれば、俺の中学時代は、向こう見ずに突っ走ってただけだったのかも知れないな。
「ラ…!……ビ!…ラビ!?何かあったんですか?」
「へ!?何!?何かあったさ?!」
気付いたらアレンと、放課後の教室に居た。
中学時代を振り返ってる間に授業は全て終わったらしい。
「こっちが聞いてるんですが」
「へ!?ごめん…。なんさ?」
「だからぁ、何か、あったんですか??」
ハッキリと、大きい声で言われた。
バカにしてる…?!
「何も…ないさ?」
「何故疑問系?」
「え…と…」
「隠し事ですか…良い度胸してんじゃないですか兎が(黒笑)」
ひぃぃっ、
誰か助けて…
「いや…違…」
「じゃあ言って下さい。僕は貴方の友達ですから、相談には乗りますよ?」
怖い…
まてよ……よく考えたら、ユイとアレン双子じゃん。
――もし実はアレンがシスコンだったら……
生きて帰れるカナ…
「実は……俺、……」
アレンめ……悩んでる俺を見て笑ってやがる……!!
しかも、黒い笑…
恐ろしい……
「俺、ユイのこと…」
ん?アレンの目光った?
「好きなんさ…」
ガタンッッ
言い終わる頃には、俺は椅子ごとひっくり返っていた。
「痛ってェ!!酷っ!!何すんさ!!」
「死ね兎」
アレンは去って行った…。
「なんなんさ…」
まさか…予感的中…?
俺の恋叶わないかも…
てか死ぬかも…
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