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屋敷の本
LITTLE BROTHER・ELDER BROTHER(8)



それから私達は孤児院から失礼して
リンリさんや孤児院の子供達と別れた。

汽車を乗換えて屋敷にたどり着くまで
屋敷に働いている個性的な人達を紹介したり、アツキ君自身のことを話してくれたりして仲が深まった気がした。


午後4時、気がつくと白堂家の門の前だった。


「屋敷広っ!!!」


アツキ君が驚きの声を上げる。
これでも実は我が家の経済状況はやばかったりする…

ぶっちゃけ食べ物や、
家具だってそこまで金をかけていない。
…屋敷に飾ってある絵画なんかがレプリカなのは内緒だ。


「ハハハ…」


自分で言っといて思わず虚しくなる。
私は遠い目をしながら気力の無いため息に似た笑いをこぼす。



「おい、お前ら何屋敷の構造をそんなガン見してんだよ。
屋敷を見に来たのかよ、早く中入ろうぜ。」


「「はーい…」」



門を開けて貰うためインターホンを押す。
…私が。
こういうの使用人がやるんでねぇの?
私はソニアス君をチラリと見た。

…あくびしてやがる。




『はい、みのり様ですね。おかえりなさいませ
只今門を開けます。』


玄関サポーターのスィスさんがテンポの良い通る声で言う。

「ありがとう」


『ってかソニアス、みのり様にやらせんじゃねぇよ。』


「あ?別に良いだろ。」


『良くねぇよ』


…ちなみにスィスさんは女です。

『ん?その男は誰です?』


「あ、どうも。アツキです」



「まぁ、後で皆に説明するから。
門開いたから入ろ!」



音を立てて開いた門をくぐるとデカい庭。
しっかし庭が無駄に広すぎんだよ。
本邸につくまで結構歩くな。



「あーどこでもドア欲しい…」



「お前んなもんあったら人間全員メタボだっつーの。」


「ふーんだ。
私がもしどこでもドア見つけても、
ソニアス君には貸さないから。」


「無理だって」


「ははは。」


そうこうで本邸に着いた私達。


ガチャ


私が屋敷のドアを開けたら


「「おっかえり〜!」」

「ただいま…」


そこにいたのは羅夢、ルーンという
珍しい組合せの二人…



「私、もう色々疲れたんでナレーションバトンタッチ」


「へ…?」



私は羅夢の肩に手をポン、とおき自室にフラフラ戻った。




「ちょっとー?まだ2000字しか書いて無いじゃん?!」


…という羅夢の声を無視した。



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