[携帯モード] [URL送信]
page.05





「はあっ!」

 ザンッ!

リンクは一体、また一体と的確に魔物を斬っていく。魔物とは幾度となく戦ってきた彼だからこその強さを見せつけていった。

「リンク、後ろ!」

もちろん彼一人の力でここまで強くなったわけではない。勇者の相棒、妖精のナビィによる息のあったサポートがあってこそ、彼は勇者と呼ばれるまでの力を身に付けることができた。
リンクはナビィの指揮通りに、瞬時に振り返って背後にいた魔物に剣を振るった。

相手は剣と盾を備えたスタルフォス。剣同士がキン、と甲高い音を立てて互いの攻撃を弾いた。
相手がよろめいた瞬間、すかさずリンクはスタルフォスに回転切りを食らわす。

「でやああっ!」


 ガキン!!

盾で防がれはしたもののスタルフォスはリンクの攻撃に吹き飛ばされ、小屋の壁に背中から激突し、その勢いで壁の一部分が破壊されてしまった。
そしてそのまま小屋の中へと木屑と共に倒れ込んだ。

「な…っ、しまった!」

「ち、ちょっとリンク、中にはあの子がいるのヨ!」

「わかってる!今から助けに…」

足を急かして小屋へ向かおうとした、しかし背後から自分のものではない陰が見える。即座に振り返るともう一体のスタルフォスが攻撃を仕掛けてきた。

「危ない!」

「くっ」

対してリンクは手早く盾を構えて攻撃を防ぐが、体勢が整わずよろめくように二・三歩後退する。

「…くそ」

ぽっかり穴の空いた小屋に横目をやりつつ息を漏らした。中の様子が、とりわけ例の子の安否が気になるが、これでは安易に小屋へは近づけない。
自分の周りにいる魔物はこいつで最後。だから早くこの目の前の魔物を倒さなくては、とリンクは思った。

「ナビィ、早急に終わらせる。援護を頼む」

「OK」

勇者は剣を一層強く握った。

 

[*前へ][次へ#]

5/8ページ


あきゅろす。
無料HPエムペ!