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勇者が相棒である妖精からさんざん説教を食らった後、3人は小屋を発つことになり風の吹く方へと木々を抜けて歩き始めた。ナビィが確実な道を示してくれたお陰で迷わず雑木林を抜けることができた。
そして林を一歩踏み出せば、そこには青々と茂る一面の平原――ハイラル平原。

「わあ…!」

見渡す限りの自然。平原には風が躍り珍しく顔を覗かせた太陽の光が降り注ぐ。またそれが草に反射して輝いて見えた。
一たび風が肌を髪を撫でると、少女は息をもらした。

「…綺麗ですね」

ハイラル平原の美しさに感動する少女を見て、勇者はかつての自分と重ねた。
7年前、自分が初めて森を出たときの事を。

「うん、俺も初めてここに来た時はすごく感動した。こんなにも"世界"は綺麗で広いものなのかって」

その言葉に納得したように頷くと、また3人は歩みを始めた。








ガタ、ゴト、

ガタ、ゴト、


「ん?」

少女の耳に規則正しい音が触れた。振り返り平原を見渡すと、少し離れたところに動く小さな影が見える。
ガタゴト、
ガタゴト、

「ああ、この音かい?平原を走ってる荷馬車だよ。ほら、丁度こっちに向かって走って来てる」

ガタガタガタガタ
ガタガタガタガタ

「ネエ、リンク。思うのだけど、あの馬車スピード出し過ぎじゃないかしラ?」

「それに何かに追いかけられてるみたいですけど…」

「…え?」

ガタガタガタガタ!
ガタガタガタガタ!
ガタガタガタガタ!

「ちょっとあんたら!た、助けてくれえええ!!」

馬車から野太い声で叫ぶのが聞こえた。馬車馬を操る中年男だった。



 

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あきゅろす。
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