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#3 カカリコ村





「リンクさん、おはようございます。起きて下さい」

床に寝転がっているリンクの肩をゆすった。そこそこの反応はあるのだが起きる様子はない。
そして隣に居るナビィと顔を見合わせ、また寝息をかいているリンクへと戻す。

「成る程、ねぼすけさんなのですね」

「全く勇者としてどうなのヨ、これは」

「昨日のこともありますし…日頃から魔物と戦って疲れてるんでしょう」

「甘やかしたらダメヨ!リンクは子どものときからずーっとねぼすけなんだから」

跳ぶようにナビィがリンクの上を飛び回る。きっと昔から毎日のようにこの寝坊癖に頭を抱えていたに違いない。そう思い、少女は苦笑した。

昨日はあの後たくさん話をした。リンクのこと、ナビィのこと、今のハイラルのこと、これからのこと。結局少女はリンクたちと旅に同行することとなり、彼らと色々な地を巡って記憶に無い故郷を探すことなった。
そして昨晩は大破しまくりの小屋で夜を明かし、今に至る。

「ええと、これから森の神殿という場所を目指すんでしたよね」

「ウン、だけどその前にカカリコ村へ向かうのヨ。食料調達もできるし、あなたの手当てもできる。何より情報も手に入るし、あなたを知ってる人もいるかもしれないワ」

「ナビィ…」

お礼か謝罪か、少女が続けて言葉を口に出そうとしたとき、勇者がむくりと体を起こした。もれなく欠伸もセットだった。

「あれ、2人とも起きてたんだ。おはよう」

「とっくに起きてたヨ!もー、リンクったら相変わらずねぼすけなんだから!」

「ふふ、おそようございます」

日は既に真上に登っていた。





 

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