ハロー・ハロー15(完) たった一つしかない選択肢を選び続けている 「10代目、」 久しいその呼び名に再び涙がせり上がってきたけれど我慢した。 (ランボって意外とすごいんだなあ) 俯いたままのオレに獄寺君は次の言葉を言うための息を吸う。 その間に涙を堪え、止めた。 「オレは10代目と付き合えません」 うん、知ってる。だけど酷く悲しいのはどうしようもなかった。俯いたまま、涙が落ちるのだけは必死で堪える。格好悪すぎる。 「オレは10代目が大切です。10代目は何かを変えたくてオレを好きだと言ったけど…オレもあなたへの尊敬と好き、をはきちがえてしまった。もし10代目をふってしまったらあなたを傷つける。だから尊敬するあなたのために付き合った」 ズキリと心が悲鳴をあげた。ツ、と堪えきれなかった涙が足元のコンクリートに染みをつくった。 (格好悪い) 止めなければ、と踏ん張れば踏ん張る程・涙は溢れた。 「けど、」 獄寺君の声が一段と大きくなった。 「けど、10代目の「そんな風に思われたくなくて付き合った」、を聞いて悲しかった。無礼を承知で言いますが、悔しかったし腹立たしかった。いつの間にかあなたを愛してるオレがいた。いや、始めからあなたが好きだったのに気付かないふりをしたんだ…だから」 え、と顔をあげると瞳が交わる。笑った獄寺君がいた。 (笑っているの?) 「オレと付き合ってください10代目。今度こそ、愛してみせます」 「…」 「…」 「…オレなんかが愛されていいの?」 何を言われたのかわからず、じっとオレは発言者を見る。 (愛して…みせる?) 答えの代わりに抱き締められる。顔にあたる獄寺君のネックレスやチェーンが冷たくて知らずふるえた。 応えるようにオレも獄寺君の背に腕を回して顔を埋める。暖かい。懐かしい、幸せな感覚。 (ようやくあなたとつながった) ひび割れた虫眼鏡で歪んだ世界を眺める、僕等の日常は独り善がりと思い上がりの恋 ハロー・ハロー 聞こえていますか? 10年前のオレは元気ですか? 君は今でもあの人を愛していますか? オレは今でもあの人から愛されています。 End 連載してしばらく間があいて…ようやく完結しました!! 実はハロー・ハローは同名の曲をイメージとしています(∀)好きです。 なんか「変わったとか変わってないとかに独り善がりで悩む綱吉」と「最初から10代目を『好き視点』から見てない獄寺」を書こうとしたら「わがままで悲観的な綱吉」と「献身的で大人しい獄寺」になってしまって…orz 拙い文でしたがお付き合いありがとうございました。今後、ハロー・ハローのおまけ的なものをUPする予定です。お楽しみに!!(誰もしてないよ\(^O^)/)感想等喜びます♪ , ← |