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La ragione per apparire2

スクアーロは正直ベルの笑い方が嫌いだった。
「しっ、しっ」音にするとこんな(断片的な)発音はベルが爆笑している時のそれだ。なんで急にそんなくだらない事を思い出したのかスクアーロはわからなかった。ただ腹が立った。プールに浮かんだ儘・スクアーロは無性に腹が立ってきた。ベルの嫌に耳障りな笑い方も、殴られた傷がプールに滲みるのも、殴ったザンザスにも、温いプールにも。
「何してんの、」
その時だった。小さな音が聞こえたのは。眼だけ横にずらすとボンゴレ10代目、自分の仕えるヴァリアーのボスよりも偉くなってしまった少年が居た。ジャッポーネの少年・沢田綱吉だ。
「てめーこそ何してんだぁ」
着衣水泳でもしにきたのか。なら意地が悪いかただの阿保だ。それともオレを蔑みにきたのか。スクアーロはある種の被害妄想に衝き動かされ綱吉を睨んだ。
しかし綱吉は臆する事なく言い返した。
「プライベートプールなんだから」
確かにとスクアーロは身を起こした。此処はボンゴレの・綱吉の私有プールだ。スクアーロのほうが間違ってるのだ。何だか恥ずかしくなって濡れてへばり付いた髪を乱暴にひとまとめに絞った。
プールからでようとスクアーロは歩を進めた。



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