歌うサクランボ(ｽｸﾂﾅ/暁様4000打記念)
リング争奪戦も意外な展開から大空戦を残すのみとなり､綱吉はそっとバレないように溜め息をついた｡なんだか怠惰な気持ちが沸き上がる｡全てを失ったような気分だ｡力が抜けて､しかしやる気はある｡みんなが今まで頑張ってくれた分､自分も頑張らなければならない｡けれども綱吉はなんだか泣きたくなるような衝動と脱力感に襲われた｡綱吉には自覚があった｡何故こんな気持ちになるのか｡
雨のリング戦
(スクアーロ…さん)
始めて逢った時の衝撃もあり､綱吉はスクアーロが気になっていた｡しかし極めつけは晴のリング戦後に家の前に立っていたスクアーロを見つけた時だった｡
こちらに気付いたスクアーロは綱吉一人だと認識すると話しかけた｡
『うﾞぉﾞおい…』
『ヒッ…』
驚愕と恐怖に綱吉はひきつったような声を漏らした｡何故という顔が解りやすくてスクアーロは心ね中で少し笑った｡相手が恐怖でひいているのに随分余裕だと今度は声に出して笑った｡クツクツと笑いだしたスクアーロに綱吉は泣きたくなった｡
『な・なんで…っ』
何故ここにいるのだと問う綱吉にスクアーロはさぁなぁ､と笑い返した｡
『急にあいたくなったぁ…敵の大将になぁ｡』
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