ハロー・ハロー12 もやもやとした煙の中から這い出た時、周りは開けた。 目の前には人。自分は椅子の上。嗚呼、目の前の人物も白い机を挟んで椅子に座っている。そして呼ばれた。10代目、と。 顔を上げると懐かしく、そしてまったく知らない貴方が居た。 「獄寺…くん」 「はい。10年前の10代目、」 全くリボーンも悪趣味だ。でもありがとう。 オレはとりあえずこんにちはと呟いた(届いたかどうかは定かではない) ハロー・ハロー 10年後の獄寺君は素敵だ。優しい声、凛々しい顔。ちょっと伸びた髪を後ろで結わえている。 そして黒のスーツを着ていた。 (オレ…マフィアになったのかな) 「10代目、紅茶をお持ちしました。」 「ありがとうございます。…10年後のオレは元気ですか?」 「ええ、10年前から変わらずとても素敵です」 「変わらず…(今でも貴方を哀しませた儘ですか)」 「…?、どうしました」 聞いていいだろうか。触れていいのだろうか。 「…10年後のオレは、貴方から愛されていますか」 嗚呼 聞かなきゃよかった、 * ←→ |