[携帯モード] [URL送信]
そうして叫び声は潰えたのだ2



怒るつもりが逆に怒られてスクアーロはなんだか泣きたくなった。いや・情けなさすら滲んできた。一体オレの何が悪いんだぁ!!!と叫びたかったがきっとそうしたら綱吉は二度と口を聞いてくれなくなるのは必至だ。
背後からそっと名を呼ばれ、振り返って綱吉を見るともう怒ってはいなさそうだか何だか声をかけるのは躊躇われた。
「なんでオレが怒っているのかわかりますか?」
首を横に振るスクアーロ。長い髪が勢いよく舞った。綱吉はふぅと溜め息をついてスクアーロを睨んだ。そして

「スクアーロさんってディーノさんの愛人なんですよね?」

そう問うた。
一瞬の沈黙の後盛大に喚いたスクアーロを見て綱吉はまた溜め息をついた。
「ツナヨシ!オレをバカにしてんのかぁ!!なんでオレが跳ね馬の愛人なんだぁ」
「ほら、」
「?」
最初の怒り以上に怒気を孕んだスクアーロの怒鳴り声にも動じる事なく綱吉は笑んだ。
一方、微笑まれたスクアーロはドキリと動きを止めた。
(なっ、なんて顔して笑ってんだぁ…)
ようするに見惚れただけなのだが。
「ほら、スクアーロさん。なんでオレが怒ったのかわかったでしょ?」
ね、と笑いかける綱吉の顔を凝視して男は呻いた。



あきゅろす。
無料HPエムペ!