チョコレートサンドイッチ2(完)
彼は僕を殺したいのだろう。このチョコレートの中には化学式がやたら複雑な激物が入っているのだから。(つまりは毒だ)手にしたサンドイッチは熱と圧力で中身のチョコレートが柔らかく押し出され溶ける。(毒は溶けないが、)
死ぬ事と意味を成さない事(存在が無いという事)はイコールだ。
屍は動かない話さない愛を語らない。それはそこに存在がないから。
僕(に限らず人が)死ぬという事はつまりは意味がなくなるという事。それは綱吉も一緒ですけど、
チョコレートサンドイッチが殺意を帯びた
(知っているのだろうか)
僕が君と同じくらい、君を殺したいと思っている事を。殺して、意味を失くし、再構築して新たな意味付けをする。そうすれば君は僕だけのものになるのでしょう、綱吉も同じ事を思っているに違いないでしょう。
乾いたチョコレートサンドイッチは血の味がした。
綱吉がふっと微笑んだ。
END
輪廻転生。再構築された僕はやはり僕なんです。
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