[携帯モード] [URL送信]
山ツナ(完)





(山本はとてつもなく格好良い男だ。クラスの人気者だし運動神経も抜群だ(頭はそうでもなかった)。人当たりもすこぶる良い、なのに裏表もない。そして爽やかだった。獄寺君は格好良いし頭も良かったけれど酷く近寄りがたいので俺は何となく彼を苦手としていた。でも山本ならそんな事もなかったので俺はいつも山本と話していた気がする。)





ツナがそんな風だったからツナをまるで神であるかのように盲目的に崇め、そして慕う獄寺は気が気ではなかった。あの野球野郎は絶対に裏があります。とそればかりツナに言ったもんだからツナは獄寺を嫌った。嫌ったというよりますます苦手とした。




ツナと山本は次第に仲良くなってそして気が付くと恋仲にまで発展していた。(先にその頬を撫でたのはどちらだろう。先にその唇に触れたのはどちらだろう。)そんなある日ツナは山本とケンカした。めずらしい事もあるもんだと獄寺は驚いてそして喜んだ。このまま別れてしまえばいいと思います。獄寺はツナの為を思って言ったのだがツナにはやはり伝わらなかった。ツナは獄寺を否定する事なくそして赤く腫れぼったくなってしまったブラウンの大きな瞳を獄寺に向けた。




ごめんね山本。山本はなんだか泣き出したくなった。ツナが謝ったから。山本が本当は悪いのに、ツナが謝ったから。ツナの赤い瞼を見て山本はどぎまぎと胸が罪悪感でいっぱいになるのを感じた。
「ツナなんて嫌いだ」
そんな思ってもいない事を言ったのを酷く後悔した。
(ツナごめんな。ありがとう。こんな俺の為に泣いてくれてありがとう。泣かせてしまってごめん。俺は一体、ツナに何が出来るのだろうか。俺の為に側にいて、泣いて笑って好きでいてくれるツナの為に一体何が、)




















END


















君がくれた愛やその他を忘れないよ。
笑って ありがとう。




第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!