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(骸と髑髏と綱吉/完)


二人はこう言いました。
「だって仕方のない事でしょう」



(押し問答が得意な双子!)




その日は酷く晴れていた。雲一つない晴れ渡った青空の下で骸は微笑んで、ツナは泣きそうに顔を歪めた。骸とツナの下には無惨にも瓦礫の山があって(それは決して正しくはない。この場合は骸の下に瓦礫の山があって、広がって、ちょうどツナの居る部分だけ真紅の上等な絨毯があった。その隅は微かに燃えていた、)骸はその一つに足をかけた。
「ご覧なさい」
まるで大舞台に立った役者のように仰々しい振り付けで腕を空に掲げて骸は笑った。
「綺麗でしょう」
また笑った。
「綱吉君。君だけの為に僕は現れて君だけの為に僕は戦う君だけの為に全てを破壊して君だけの為に全てを燃やし尽くした…嗚・呼!なんて喜劇!なんて…最高の」
「道化だろう、」
ツナはしゃがみ込んだ。前の瓦礫の隙間から誰かの腕が覗いている。ぶらんと手の甲を見せた(ツナにはまるで「キスして!」と主張しているようにも見えた)腕。先程からその下でぽたりぽたりと締まりのない水道みたいに血液が滴った。濁った赤は元は誰かの躯中を巡る命。その命を絶ったのはたった一人の道化。誰かだけではない他の誰かもまた他の誰かも葬り去った、骸。ツナは立ち上がった。
「さよなら骸!」



髑髏は言った。
「ボスは骸様が嫌いなの」
「違うよ」
「じゃあ好きなの」
「違うよ」
「私達、賭け事をしているの」
ツナは手を繋いだ。宙ぶらりんしている手と。体育座りして手を繋いでいた。ごつごつした大人の男の手。爪だけは綺麗にトップコートで保護されていた。指は不思議なくらい冷たかった。血が通っていないからだ(ツナはそう思った)
「達って誰と」
「骸様」
(知ってたけどね)
「どっちが早くボスにキス出来るか」
「へぇ」
ツナの指が無意識にトップコートで輝く爪を摩る。それだけがツナの意識を奪った。
「おまえ達は本当に」
(道化だね!)
ツナは誰かの手の甲にキスした。
















みんなツナ狙い!


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