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チョコレートサンドイッチ1(ムクツナ/10年後)



沢田綱吉。ツナ。ドンボンゴレ。10代目。彼に称される全ての名が失くなったらどうなるのだろうか。それは存在しないという事になるのか。


日本人が大好きな「意味付け」の単語の羅列で表される己の名にも意味は在る。もともと日本語というのは意味がある単語と意味を成さない単語が互いに補い繋がって文になる。しかし・意味の無い単語同士は決して繋がらない。じゃあ名が失くなれば意味も消えるのか?それは存在する意味が無くなるのかもしくは…、そう考えた所で虚しくなって止めた。どうあがいた所で彼の名なんて失くならないし、失くなったとしても誰かが新たな名をつけるのだろう。考える事自体が意味がない。虚しい、机上の空論だ。そうして無駄な時間を使った事がまた虚しくて、そこで自分独特の奇妙な(と、周りは言った)笑い声を漏らした。
どうしたの骸さん、と綱吉は笑った。卓上の皿には幾切れかのサンドイッチが乗っかっていた。長い間手をつけていないからパンの表皮はカサカサに乾いている。綱吉は僕にどうぞ・と勧めた。何度も同じ台詞しか言わない彼がとても(憎らしかった)
サンドイッチを手にとると中身はチョコレートだと知った。どうして手にとってしまったのだろうか。やはり綱吉は笑っている。



あきゅろす。
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