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叶わぬ恋でいい なんてうそ



それはある晴れたお昼のこと。


「ぐっちはさー、もしも好きな人に好きな人がいたらどうする?」
「え、何いきなり」
「なんとなくー」


私とぐっちは屋上でお昼を食べていた。ぐっちは高校に入学したときから席が隣で、私の初めての友達。


「で、で、ぐっちはどーする?」
「どうするって…まぁ何もしないかなぁ」
「…何で?」
「その子のことが好きだったらその子が好きな人と付き合ってほしいって思う。かも」


やさしーんだね、ぐっちは。どうも。

でもさ、そんなことしてたら自分は幸せになれないじゃん。


「自分はどうなの?」
「え?」
「だって相手の幸せ願ってその人が幸せになってもぐっちは幸せになれないじゃん。そんなの不公平だよ」
「不公平って…そういうことじゃないよ」
「不公平だよ!ぐっちはやさしーじゃん、幸せになんなきゃだめだよ!」


あぁ、なんで泣いてるんだろ私。ぐっち困ってるじゃん。困らせるつもりなんて全然なかったのに。優しいね、なんで言わないで。

だって私、ぐっちの幸せなんてこれっぽっちも祈ってないもの。



叶わぬ恋でいい なんてうそ
(私はどんなことをしたって幸せになりたいよ)



企画ほら吹き少年様に提出。



あきゅろす。
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