山茶花の小説
あいおろすと   その3   

どうして、こんな事になってしまったんだろう。

カノンは14歳も年下の男に乱暴に揺さぶられながら考えるともなく考えていた。
 昼過ぎからずっと、もう3,4時間ほど情交を続けている。若いのとずばぬけた体力のせいで、何度カノンの体奥に熱い精を迸らせてもたちまち硬度を増して突き上げてくる。
 テクニックもゆとりもない、激しいばかりの性交はカノンの体に苦痛のみしか与えなかった。
 
 もう何回イッたかわからない吐精の後、流石に疲れの見え出したアイオロスの体の下から這い出そうとして、引き戻された。
「カノン、何処へいくつもりだ?私はまだ満足してないぞ」
「そうじゃない…体位を変えて欲しかっただけだ。」
「?体位だと?」
「…たとえば…後ろからとか…」
(恥ずかしいこと言わせんなよ…)
 カノンは耳まで真っ赤になって視線をそらしながら、そっと懇願する。
 しかし、それが男の目にはどんなに扇情的に映るかとは頭にない。
  
「イ・ヤ・だな。そんなことしたらカノンの顔が見れない。私に抱かれて気持ちよくなってるカノンのかわいい顔が見えなくなっちゃうじゃないか」
「なっ…///」
 アイオロスは、耳まで赤くなってフリーズしてしまったカノンの体をゆっくりと倒して口付けする。
「可愛いよカノン」
 
再び始まった律動に身を任せ、最奥を何度も突き上げられるとカノンの体も熱を帯びてくる。グチュグチュといやらしい音を上げ、先に出されたアイオロスの精液にまみれた媚肉は若い雄に吸い付きなおも精を搾リ取ろうと蠕動する。口付けを交わし両足を肩に担ぎ上げられたまま、力任せに抱きしめられてカノンは絶頂を迎えた。同時に体の奥でアイオロスが弾けたのを感じながら意識を手放してしまった。


 温かい波動に目が覚めると、情交に疲れ果てたカノンの身体をすまなそうな顔をしたアイオロスが癒しの小宇宙でヒーリングしてくれていた。
「すまんな、だいぶ楽になった。」
 服を着ながら、にっこりと微笑みかけるとまぶしそうにシャイな笑顔が返ってくる。

「私のせいで無理させてしまってスマン。おまけにグチまで聞かせてしまって男らしくないな。」
「グチくらいならいつでも聞いてやるさ。なんたって年・上だからな」
 ニヤリと笑ってやると、情けなさそうな顔をする。それがおかしくてカノンは声を立てて笑ってしまった。

「カノン、笑うことはないんじゃないか」
「いいじゃん。お前にはまだまだ可能性があるんだから。誰かに決められた期待値なんかよりも、自分の手で掴んだ経験値の方が良いに決まってる。これから鍛えれば鍛えただけ強くなれるんだ。うらやましいぜ、まったくよ」
 
 アイオロスの頭をもみくちゃにして笑えば、もみくちゃにされたアイオロスも笑っている。
 
 カノンはアイオロスの背中を一発どやし付けて人馬宮を後にした。

                       終
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