海原
思い浮かべるのは彼だけ。



『シャンクス、これセクハラ』



シャンクスの膝の上に強制的に乗せられた。しかも抱きつくようにおさえられ、立ち上がることすら許されない。



「これぐらいじゃあセクハラに入らないだろ」

「頭ー!!オレらの癒しを汚さないでくださいよ!!」



クルーのみんながシャンクスに抗議をはじめたのでベンさんに視線で助けを求めた。
ベンさんは苦笑しながらもシャンクスの腕からヒョイと俺を持ち上げる。



「あ!おい、ベン!!」

「副船長!ナイスです!!」

『ありがとう、ベンさん!』



シャンクスの抗議の声とみんなや俺の感謝の言葉にまた苦笑しながら俺を降ろした。



「ぶー、ぶー!ベンもナツミの味方かよー」

「いい大人が拗ねんでください」

『本当だよな、ベンさんみたいに大人の対応しろよ!』

「……していいのか?」



は?と首を傾げようとするとシャンクスがおもむろに立ち上がり、目の前まで来た。
なんだ、とシャンクスを見上げた瞬間…影が、重なる。



『んっ?!』



何されてれるのか判断できなかった、いやわかってたけどわかりたくなかったというか。

パニックに陥ってる俺にシャンクスの目がニヤリと笑う。
口内に舌を入れようとした瞬間我にかえり、シャンクスを押し返す。



『んー!ふ、ぅ…!!っ何すんだよ、馬鹿シャンクス!』

「ん?大人の対応だろ」



その言葉に呆れ半分疑問半分。
いや、だって…からかうだけでキスするか普通!!というか。



『…ファーストキスだったのに』

「へ?」

「かーしーらぁぁあああ!」

「うおっ!お前ら?!」

「おれらの癒しに何してんすか!」

「ロリコン!!」

「バ頭!」

「よし、今言った奴前出ろ」



シャンクスの言葉にみんな蜘蛛の子を散らすように逃げ出す。
あ、なんでだろ。




思い浮かべるのは彼だけ。



(なんで、あの人を思い浮かべてしまうのか)





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あきゅろす。
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