海原
口角が少し上がった。
ガチャッ
「たしぎ、遅ぇぞ…あ゛?」
『うわっ…本当にいた』
「スモーカーさん…」
考えなしに普通に出たら白猟がいました。
キャプテンが呆れたように視線を送ってきたのは無視しようと思います。
「テメェ、海賊だったのか」
『…あの後から海賊になったんだよ。いやならされた、かな』
でも、今は海賊だ。
その言葉と共に白猟の腕が俺に伸ばされる。
その腕から体をそらし、たしぎを抱え離れる。
『はっ…部下はいいのかよ』
「お前から…たしぎへの殺意は感じなかった」
うわー…当たってるから余計やりずらいんだよなー…。
抱えてるたしぎは何故か驚いたようにこっち見てるし。
「あ、あなた…おん、」
『喋るな、舌噛むぞ』
ギィンッ
白猟の十手と刀がぶつかり、鈍い金属音が響く。
あぁ、久しぶりに本気でいけそう。
口角が少し上がった。
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