海原
優しさに笑みが溢れた。
『ウチはやるぜ!!』
ぅおやかたさばぁぁぁあ!!
某赤い武将のように叫びながら甲板をもの凄い勢いで走るウチを皆がもの珍しそうに見ていた。
『ふぅ…流石男所帯、丸書くみたいに掃除しやがってェェェェエ!!』
ちなみに、ただいま掃除中。
昨日キッドさんが言ってたように雑用中です。
「せいがでるな」
『あ、キラーさん』
雑巾を絞って、甲板掃除が終わる頃キラーさんがやってきた。
『甲板掃除終わったんですけど、他って何処やればいいんでしょう?』
「部屋は自分でやらせるから…食堂ぐらいだな」
『了解です!!…そういえば、キッドさんは?』
「キッドの頭なら二日酔いだよ」
『ドレッドさん!』
ニコリと笑いかけてモップを持ってくれたのはドレッドさん。
気弱な人だけどとっても優しいし、
火を吹くことができるんだぜ!(誰に言ってんだろ、ウチ)
「手伝うよ、」
『そんな、悪いです!』
「ドレッドばっかりずるーい、ボクも手伝うー」
『ちょ、ワイスさん!』
片手に持ってたバケツを船医であるワイスさんに奪われた。
『一応ウチの仕事ですし!』
「大丈夫だよぉ〜…ね、キラーさん」
「…朝から頑張っていたし疲れているだろう、手伝ってもらえ」
『でも…』
「なら、ロスにそろそろ昼飯を作れと伝えてくれ、それも仕事だ」
ああ、やっぱりこの海賊団は優しいな。
優しさに笑みが溢れた。
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