海原
でも、可愛いものには逆らえない。
うーむ、ジャージにローファーは駄目だな。走れないし。
後ろの気配に走れないのが嫌になる。
まあ、さっきの賞金首担いでるから結局走れないけど。
『…あのさぁ、気配消してついてこないでくれないか?』
「へぇ、今の気配に気づくのか…面白いな、お前」
現れたのは長刀を担いだ、クマがある不健康そうな男。
見覚えがあってつい眉間に皺がよる。
『"死の外科医"』
「俺を知ってるのか」
男の口角が上がる。
その姿にゾワリと背筋が逆立ち、賞金首の持ち物だった刀に手をかける。
「フフ、ヤル気はねぇよ…お前、名は?」
『名乗る必要がない』
「キャープテーン」
どこか愛らしい声が響き、トラファルガーが振り向くと、
「ベ『そこのクマさんお名前は?!!』
「え?オレ?
オレはね、ベポだよ。君は?」
『俺はナツミ、よろしく!』
とっても(ここ重要)可愛い白クマさん、名前はベポがいた。
自分で言うのもなんだが、俺は可愛いものが大好きだ!!
「フン、ナツミか」
『げっ…』
「ベポ、そいつ担いで連れてこい」
『なっ?!ひ、卑怯だ…ベポを使うなんて』
「ナツミ、ついて来てくれる?」
『もっちろん!!』
ベポの言葉にとてもいい笑顔で答えてから、凄く後悔した。
でも、可愛いものには逆らえない。
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