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突発ss
雨の日(Re27
梅雨もあけたというのに、今年の夏はまだ一向に暑くなる気配がない。
「今日もまた雨かー・・・。」
ここ数日続く雨に、はぁ。と、窓の外に目を向けながら綱吉はため息をついた。
「暑いのは別に好きじゃないけど、これだけ気温も上がらないと暑さも恋しくなるなー。」
「・・・そんなに熱くなりてぇのか?」
だれもいないと思っていた部屋から突然返事をされ、びくっ後ろを振り返る。
「わっ!リボーンいたのかよ。」
「いちゃ悪いのか。」
「いるなら一言えよー。」
「俺が熱くなることでもしてやろうか?」
「遠慮しときます・・・。第一、漢字の変換間違ってるから。」
まったく昼間から何言ってんだよ。はぁ。とため息。
そんなツナを気にすることなくリボーンは珈琲を入れに行く。
リボーンは珈琲には人一倍こだわりがあり、豆も自分の選りすぐりのものを用意させていた。
リボーンがつくる珈琲はいつも絶妙なブレンドで、綱吉はリボーンの入れる珈琲より上手いものはこれまで飲んだことがないのではないかと思う。
山住にされた書類にサインをしながらそんなことを思っているうちに、良い香りが漂ってくる。
「俺も久しぶりにリボーンが入れた珈琲が飲みたいなー。  なんて。」
勝手に自分で入れろ。とかいった返答が来るものと予想していたのに反して、目の前にはツナ専用のコーヒーカップが置かれた。
「・・・ん?」
「飲みたくねぇなら飲まなくていいぞ。」
「いやいや!ありがたく飲ませていただきます。ただ、リボーンが入れてくれるのはひさしぶりだなぁ、と。」
「ため息。」
「え?」
「お前最近ため息ばっかついてんだろ。幸せが逃げんぞ。」
言われればそうかもしれない。ここ一ヶ月ほとんど休みもなく、守護者や部下達と交わす会話もほとんどが仕事のことであった。それに加えてのあいにくの天気。おそらくツナは自分でも気付かないうちにため息をついてしまっていたんだろうなと思った。
それにしても、そんなことにリボーンが気付いてくれていたのだと思うと、自然と笑みがこぼれる。
「何一人でニヤついてんだ。」
「ニヤつくって・・・あ、うまい。」
「当たり前だろ。誰がいれてやったと思ってんだ。」
「リボーン様です。」

こんなこともあるなら雨の日も悪くないかな。



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