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小説
第5章EX「狂気の宴」
フランドールが飛び上がった。

それを見た雅人もフランドールと同じ高さまで飛び上がった。


「じゃあまず小手調べね」

フランドールの持っていた曲がりくねった棒のような物巨大なビーム状の剣へと変化する。


「禁忌「レーヴァテイン」。さぁ、私を楽しませてよぉ!」

剣を構えたフランドールが雅人に高速で近づく



雅人はアームキャノンを取り出しビームソードを展開、フランドールの剣を受け止めた。



「(な・・・・・なんて力だ!腕を曲げて受け止めている分こっちが不利かっ・・・!)」

雅人は左手で腰のポシェットから小さな鉄を取り出し物質変換させる。


小さな鉄は雅人よりも少し大きい大剣へと変換された。
雅人は右手で剣を受け止めながら、左手で大剣をフランドールに振り回した。


「っ!?」
フランドールは体を仰け反らせて大剣を避ける。

しかしフランドールの鼻の頭に少しだけ剣がかする。


「んなっ!」

フランドールは雅人から離れる。


「古代実在した相手を地獄への入り口へ立たせる大剣「レーヴァテイン」。それの対吸血鬼用に十字架を埋め込んだバージョンだっ!」

雅人はアームキャノンをしまい、両手で大剣を構える


フランドールの鼻の頭からは少し煙が出ていた。
それは雅人のレーヴァテインに埋め込まれた十字架で命中した部分がほんの少しだけ蒸発しているからである。



「なかなか楽しめそうね。じゃあ少しだけ本気を出してあげるわ!」


フランドールが雅人に一気にに近づきレーヴァテインを振りかぶる。

雅人は大剣でレーヴァテインを受け止める。



「まだまだっ!!」

フランドールはレーヴァテインを乱舞させた


雅人は乱舞されるレーヴァテインをひたすらに大剣で受け止めた



「ぐうっ!!一撃が重いっ・・・・・!」

雅人は一瞬の隙を突いてフランドールから離れた


離れた雅人をフランドールは追いかけて再びレーヴァテインを振るう


雅人は1度受け止めて再び離れる



またフランドールは追いかけてはレーヴァテインを振るう。

雅人はひたすらに耐えるしかなかった。



「(このままじゃ腕が持たない・・・・・・攻撃しても受け止められるだろうし、射撃なんて受け止められるか避けられる・・・・。日光を使おうにもここは地下室だから光は届かないっ・・・・!)」


雅人が考えてる間にもフランドールは容赦なく攻撃する


「ほらほらほら!!考え事をしてると死ぬよ!?」


「くっ・・・・・なら意表を突くしかッ!」


攻撃を受け止め、離れた一瞬で雅人の大剣を物質変換させる。


さらにフランドールが近づき攻撃する



「うぐっ・・・・!」

「何?もう疲れたの?・・・・もっと遊ぼうよぉッ!」


雅人は大剣の裏刃の部分についていた小剣を左手に持ち、大剣とレーヴァテインが交わっている部分の下から小剣を突いた。

小剣はフランドールの胸に突き刺さる。


「ぐうッ!」

フランドールが仰け反る。

雅人はその一瞬の隙を突いて大剣を振りかぶる。


「うおぉぉぉぉぉッ!!」
雅人が大剣を振り下ろす。

振り下ろした大剣はフランドールの左肩から右足にかけて斜めにフランドールを切り裂いた



「はぁ・・・・・はぁ・・・・。これで終わったのか・・・・?」


そう思った矢先、フランドールの傷が徐々に回復していく。

「なっ!?」
雅人が驚いてから3秒後には既に傷が完治していた。



「な・・・・・なんて生命力だっ・・・・・!」
雅人は絶句した。

斬った相手を地獄の入り口に立たせる剣「レーヴァテイン」、さらに吸血鬼の苦手な十字架を埋め込んだ大剣。
さらに雅人は間違いなくフランドールを真っ二つにした手応えを感じていた


それを目の前であっさりと効果がないように見せつけられた雅人は恐怖した。




「・・・・ふふふふ」

不気味な声、


「・・・・ふふふふふふふ」


フランドールは自分の体を抱き、声を震わせながら笑い、泣いていた



「こンなにたノしいのはジメテ」

その声は不気味だった。

フランドールの他に複数の人間がいるかのような声





勿論地下室には雅人とフランドールしかいない。

いや、いた





首がない死体や心臓をえぐり取られた死体。





まるで死んでいるのに生きているかのように小刻みにカタカタと動いていた

・・・・彼女を恐れるかのように。





「オモシロいよ・・・・・オモしロイヨ!!」

雅人はレミリアが恐怖していた理由を悟った。


強大な力だけじゃない、無邪気なだけじゃない。

フランドールに渦巻く不気味なオーラ。

声。

顔。



すべてが怖かった。


この世の者とは思えないほど怖かった。




怖い。

逃げ出したい。

分かっていた。逃げ出したら殺される。
戦っても殺される。


ならどうしたらいい?



・・・・少しでも生きている時間をのばすしかない。


覚悟を決めた。






「イママデでさいコうのおもチャダカラ・・・・」


雅人は大剣を構える








「コ ロ シ テ ア ゲ ル!」


フランドールが牙を剥く。
同時に雅人に高速で接近する。


「くっ!」
雅人は大剣で防ごうとした。


しかし防ごうと大剣を前に出した時には既にフランドールが目の前にいた。

そして気づいた時にはフランドールの右手が自分の腹部にねじり込むように刺さっていた



「ぐぁっ!!」
雅人は吹き飛ばされ、壁に埋まった。

「ぐうぅぅぅ・・・・・」

「モウおわリ?まだアソぼうよ!!」
フランドールが一気に近付いてくる。

雅人は顔面を狙っていたフランドールの手を掴み、自分が埋もれていた壁へと一本背負いで投げた。


その隙に雅人はフランドールから大きく離れた。




「イタクナイ?イタクナイよ。モット!モットあそんでよ!!」

フランドールが雅人に近づく。


雅人は既に大剣を構えて防御体制を取っていた。



しかし、フランドールは雅人の大剣を左手の平手で真っ二つに折った


「・・・・・・!」

フランドールの右手にはビーム状のレーヴァテインが握られていた。



大剣を折られて驚く隙もなくフランドールは雅人の胸にレーヴァテインを突き刺した

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