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小説
第4章「ライブラリ・ザ・ワールド」
雅人は正門から館に入ろうとしたが、本来雅人は招かれざる客。
素直に通してくれるはずがないと思った。

なので正門から少し右の方にあった扉から中に入った。


「なんだこれ・・・・・」

雅人は中に入って驚いた。そこには数え切れない程の本、本棚がずらっと並んでいた。
さしずめ図書館、それ以上に感じられた


それ以前に館の全長と、この図書館の全長がまるで噛み合っていなかった。
仮に館をの全長を30mとすれば、この図書館は40m近くある。
このことに疑問を感じていた。


とりあえず本棚の間を抜けていくのは時間がかかるため、雅人は飛んでいくことにした。


「しかしすごい数の本だな・・・・・持って行ってブッ○オフで売れば結構高くつくかな?」

「持って行かないでー」


声と同時に現れたのは紫色の髪をした(見た目)少女


「これだけあるなら減っても気づかないだろう?」
「私はここにある本がどこにあるか記憶してるわ。そして外に出ないから知識と日陰の少女って呼ばれてるわ。名前はパチュリー・ノーレッジ。」

「へっ!何が知識と日陰の少女だ!パチュリーはタミル語でノーレッジは英語だ!」

「それなんてスクラ○ドネタ?」


「よく知ってるねぇ。知らないかと思ったけど。ちなみに俺は白波 雅人。白波は酒の名前だぜ」

「酒は飲まない」

「そうか、じゃあ失礼」


「私の図書館に無断で入っておいて何もなしだと思う?」

「やっぱそうなる?」


「まぁ新しい魔法を見つけた所だったからその実験に使わせてもらうわ」

そう言うとパチュリーは持っていた本を開き、呪文を唱えた。

「呪文なんて古風な・・・」

雅人も戦闘態勢に入った瞬間、パチュリーと雅人の間に巨大な火の玉が現れた

パチュリーはスペルカードを取り出し、

「日符「サンシャインフレア」」
と、宣言した。


すると巨大な火の玉はゆっくりと雅人に近づく。

雅人すぐさま火の玉の上を通過しようとしたが、火の玉の追尾力が高い為、雅人はギリギリ当たりそうになった。


手応えを感じたのかパチュリーは火の玉を援護するかのように弾幕を放つ。


「追尾力が高い火の玉に弾幕・・・・・こりゃきついなぁ」

「辛いなら当たれば楽になれるわよ」

「冗談。こうするのさ」


雅人は高速で回転しながら火の玉に近づきアームキャノンの発射口にエネルギーを収束させ、バリアを作った

アームキャノンを前に突き出し火の玉へとぶつける。


火の玉は今までゆっくりと移動していたのが嘘のように高速でパチュリーに向かう

突然の出来事にパチュリーは驚いた。
魔法壁を張ろうとしたが間に合わず火の玉が直撃した。


「きゃあああぁぁぁ!!」

声と共にパチュリーは大きく後ろに吹き飛ばされ落下していった


図書館の床に落下していった。



しかし直前で雅人が下に回り込みパチュリーを受け止めた


雅人は床に降り、パチュリーを下ろした



しばしの沈黙の後



「・・・・・・なんで助けたのよ?」

「助けちゃいけなかったのか?」

「そうゆうわけじゃないけど・・・・・・私は敵よ」

「敵だからって倒すのが目的じゃないし。とりあえず勝ったから先に行かせてもらうよ。んじゃ」

そう言うと雅人はボードに乗り先へ進んでいった


「・・・・・・・人間って変ね」







雅人は館の廊下を飛んでいた。廊下とはいえ普通の家の数倍以上の長さ、高さの廊下に雅人は違和感を感じていた

「歩いたら時間かかるな。こりゃ」

「時間を掛けないのがメイド」


雅人の後ろにはメイド服の女性がいた。


「おやおやメイドとは。始めてみた」
「まぁここ(幻想郷)でも珍しい生き物なのよ。メイドは。」

「美しいメイドさんお名前は?」
「十六夜 咲夜。センスのない服を着た貴方は?」

「白波 雅人。メイドの学校で口調とか教わらなかったのか?」

「そんなのないわ。幻想郷じゃ皮肉は常識よ」

「まぁ知ってるさ。白黒とか紅白に充分教わった」

「で、何の用。」

「この館から出てる霧をなんとかして欲しいと思ってこの館の主に交渉しようかと」

「食料にされたくなかったら帰りなさい。今ならまだ見逃して上げるわ」

「美女の食料なら大歓迎。でも一回主と話はしたいんだけど」

「なら食料ね」

「それは残念」



話終わると咲夜はナイフを投げてきた

雅人はくるりと華麗にかわす。

「ナイフとは危なっかしい」
「便利なのよね」

咲夜は連続でナイフを投げる。
しかし雅人は今まで弾幕を避けてきた経験を生かし軽々とかわす


「なかなかやるわね。ならこれならどう!」

咲夜は左手を横に上げ、動きを止めた。

雅人はその隙を狙ってアームキャノンで撃とうとした。


しかし撃とうとした瞬間、目の前に複数のナイフが現れた。

「うっ!?」

雅人はナイフを顔の右側ギリギリで避けた


「何だ今の・・・・・・!」

「私の能力は時間を操る能力。あなたの時間は私の物・・・・・」

再び時間を止め、雅人の目の前にはまたナイフが現れる


これをギリギリで避けるが再び目の前にナイフが現れる。


「(このままじゃただやられるだけだ・・・・・どうする?)」

雅人はひたすらに避け続ける。しかし対抗手段が見付からない。



「(ん?あれは・・・・)」

よく見ると咲夜の右手にはチェーンで繋がれた懐中時計があった。
咲夜は時計のチェーン部分を持ち、時間を止める時には時計本体を持ち、使わない時にはチェーン部分を持っているのに気がついた。


「(時間を止める時にあの時計を使っているのか・・・・・・?なら!)」

雅人はアームキャノンをしまい、腰のポシェットから銅板を1枚取り出し物質変換させた。


銅板はスナイパーライフルへと形を変え、雅人は咲夜を狙った。


「そんな重い物を持ってナイフが避けられるの!?」

咲夜は問答無用で時間を止め、ナイフを投げる。

雅人はナイフが前に見えた瞬間スナイパーライフルを撃った



弾は咲夜の持っていたチェーンに命中し、時計は咲夜の手から落ちた。


雅人はスナイパーライフルを前に投げ、ナイフを防いだ。
投げた後直ぐに落ちていく時計を追いかけた。


咲夜も真下に落ちる時計を追いかける。

が、雅人が先に時計をキャッチし咲夜にアームキャノンの銃口を向ける



「勝負あったな」

「くっ・・・・・・!」
咲夜は悔しそうに歯を見せた。


雅人は銃口を下げ、左手にある時計を変換させて元通りに戻した。


「チェーン切ってすまなかったな」
そう言うと雅人は咲夜に時計を突き出した

「あ・・・・・・ありがとう」
咲夜は少し照れた


「じゃ、先を急ぐからこれで」
そう言うと雅人は咲夜に背を向け先へ進んでいった





「・・・・・・・・敵なのに・・・」

咲夜はしばし廊下に立っていた

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あきゅろす。
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