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short41






#イヴァルキ












 こいつのキスは唐突だ。その場の勢いで唇を塞ぎにきて、頬に顎に額に口元にそして唇にとキスを繰り返す。俺が口を開くまでしつこくしつこくキスをし続ける。それで俺が口を開かないでいると、一度キスを止めてギロリと睨みつけてくる。

「シット!なんで、口開かねーんだ!てめぇは!」
「イヴァン…お前な。」

今何時だと思ってんだと、その部屋の窓からさしてくる光の眩しさとともに眩暈をおこしそうになった。イヴァンと自分らの仕切りの店の財務管理の書類と睨めっこしていたはずなのだが、何故かいつのまにか執務机を背にしている俺を抑えつけるような形でイヴァンが覆いかぶさってくる。

「誰かに見られたらどうする?」
「誰もみてねぇーだろどうせ。」
「誰かくるかもしれんだろ?」
「どうせお前んとこのばっかりだろうが。俺は顔見知りじゃねーからいい。」
「お前が、だろ。俺の仕切りの店なんだぞここは。いつ誰がくるか・・・」

わからんだろう。そう続けようとした言葉ごとイヴァンに奪われた。イヴァンのこういうところに腹がたつ。俺の意見をおもいっきり無視で、自分の本能のままに行動するところ。若さ故と言ってしまえばそれまでだが、もう少し周りの状況も考えてほしいところだ。口の中でイヴァンの舌が自分の舌を追いかけるようにからんでくる。さきほどの勢いと違って快楽をひきだそうとする丁寧な動きで。ぞくりと下半身がうずくような気がして、そんな自分に眉間にしわがよってしまう。唇が離れて互いに顔が近い距離で見つめ合う。上目づかいに見つめるイヴァンの顔は、相手を捕食しようとしている獰猛な男のものだった。

「・・・なぁ、キスだけ・・・いいだろ?くそ、我慢できねぇ。」

あと10分。そうやってごねられると許してしまいたくなる。そんな自分にあきれつつ、不機嫌に見えるような顔をする。不服だと相手に伝わるように。そんな俺を見てイヴァンは躊躇したように顔を少しだけ遠ざけた。そんなイヴァンに満足して、俺はイヴァンの襟を片手で掴んで強引に引き寄せ、イヴァンとおなじような表情で口元をあげた。

「10分だけだ。」













噛みつく
(するとイヴァンもこたえるように俺の唇を奪った。)






END







あきゅろす。
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