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学パロ2(数学)






*学パロ
この設定のジャン×ルキーノ+イヴァン








 六限の授業を終えて、職員室に戻ろうとしていた時だ。出席簿や教材を腕に抱えて右腕が塞がっていたし、気を抜いていたせいもあるだろう。だから唐突に空き教室に引きずりこまれ、壁に押し付けられてしまった時には、「くそ、またか。」とルキーノは思った。こういう事をするのはあいつしか考えられない。うんざりした気持ちでルキーノが後ろを振り向くと、案の定奴が、ジャンカルロが金色の髪を揺らしながら、にこやかな笑みを浮かべそこにいた。無意識に眉間にしわが寄る。腕に抱えていたものは床に散乱し、体格的にはジャンに勝っているはずの身体を動かそうとしても、上手く押さえ付けられ動かす事が出来なかった。

「相変わらず、あんた油断し過ぎだよな。」

ルキーノの背中にピタリと引っ付いて、ジャンはルキーノのシャツにスルリと手を潜りこませ、腰を撫で上げてくる。そして今の状況である。

「ちょ、ジャン!馬鹿何やってる!やめないか!」
「んー?聞こえねぇーなぁー。」

そんな訳があるかと叫ぼうとしたが、首筋を生暖かい感触が滑り、思わずブルリと身体を震わせてしまう。自分の生徒に毎度好き勝手されるなんて、それこそ屈辱以外の何ものでもない。

「つ、く・・そ!」
「何?ルキーノ先生・・感じちゃった?」

あんた、やっぱ可愛いわ。ルキーノの首筋に舌を這わしながら、シャツのボタンを手際よく外し、ジャンはもう片方の手を胸の中心へと這わせてくる。円を描くように中心を撫で、軽く指先で押し潰した。

「あっ・・お、い・・いい加減にっ!」
「・・乳首感じるんだろ?」

ジャンがピンッと弾くと、微かに喘ぎ声が漏れる。それを抑えようとルキーノは口許を片手で覆ったが、それもジャンにとっては情欲を煽るものでしかなかった。

「ん・・く」
「本当、あんたって・・・」

ジャンの瞳が今までとは違った真剣な色に染まる。グルリとルキーノを反転させると、ア?と、熱を帯びた焦点の合わない視線を向けてくるルキーノにジャンは喉を上下させ、グイッと顎に指先を這わせて、上向かせた。

「・・・つ、ジャン?」
「・くそ、んな目で見んなって。」

余裕無くすだろ。その言葉は胸の中に収め、ジャンが顔を近づけようとした時、ガラリと教室の扉が開かれる。視線をそちらへと向けるとイヴァンが息を切らせながら、そこに立っていた。

「つ、先生!くそ、ジャン!てめっ性懲りもなくっ!」

イヴァンがズカズカと教室に入り、ジャンとルキーノを引き離す。

「おい、先生!大丈夫かよ!?」
「・・・つ・・ファンクーロ!遅いんだよ!いったい何やってた!?すぐ助けにこいって言ってるだろう!?」
「わりぃ。担任のベルナルドの野郎に用事言い付けられちまって・・」

あんたから目離しちまった。すまなそうに言うイヴァンに、まぁ、助けにきてくれたから別に良いがとルキーノは少しだけ不機嫌そうにしながらも、軽く衣服を調え、イヴァンから差し出された手を取った。

「ジャン、てめぇもいい加減、先生にちょっかいかけるのやめ・・って、ファック!いねぇしよ!!」

くそ、さっさとトンズラしやがって。イヴァンが苛立たち気に髪をガシガシとかき、ルキーノへと視線を向けた。

「とりあえず、さ。先生。」
「・・・なんだ?」
「いや、てめぇが嫌だっつーんなら別に良いんだけどよ。その、またあいつがこねぇとも限らない訳だ、しな。」

だから、一緒に帰らねぇか?そっぽを向きながらそう口にしたイヴァンにルキーノは目を丸くさせたが、すぐに口許を和らげて苦笑をこぼすと、馬鹿何照れてんだと、乱暴にイヴァンの頭を掻き交ぜた。









学生鞄を片手にジャンは帰り道を一人で歩く。橙に染まった空を背中に、けれどジャンの心は反対にもやもやと霞みがかっていた。

(くっそ俺・・)

あの時俺なんであいつにキスしようとしてたんだと、自身の先程の行動に驚きを隠せないでいた。今まで自分は、襲ってきた連中にそんな事をしようなんて気すら起きなかった。手当たり次第に好き勝手してきたし、連中の都合なんて気にしたことすらない。

(けど、あいつは・・)

今までの奴らと何かが違う。何故かあいつに自身の余裕すら奪われてしまっている気がする。そんな自分がムカつくし、苛立ちを隠せなかった。ジャンは、足元に偶然転がっていた空き缶に目線をやると、それをおもいっきり蹴り上げた。













END





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