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ジャンルキ






#ジャンルキ











「なぁ、ルキーノ?」

目の前の金色のワンコがそんな風に甘えた声を出して、ベットで寝そべるルキーノの上に跨がり身体を寄せてくる。ルキーノは内心焦った。普段ならばこの状況はとてもおいしいものである。ジャンの行動に愛しさが湧いて、「今日は積極的なんだな。」といった類の軽口くらいは叩いて、その身体を抱きしめているはずだ。だがジャンに先程からされているお願いがそんな常の行為すら躊躇わせるような内容だった為、どうやってこの話題から逃れようかと、そればかり考えている。

「ジャン・・・そのだな。」
「・・何だよ?」
「どうしても、上をやりたい・・のか?」
「うん!」

かわいらしい笑顔でそんな恐ろしい事言ってくれるな、頼むから。ジャンにのしかかられながら、ルキーノは「カァッツォ」と小さく呟いて、視界を右の掌で覆う。ジャンの言う事なら大抵の事は叶えてやりたいし、甘やかしてもやりたい。だがそのお願いだけは、ききたくない。出来る事ならこれからだって。しかし・・

「・・・・俺の方が体格良いんだぞ?」
「知ってるぜ?」
「お前みたいに可愛い面してる訳じゃない。」
「いや、あんた可愛いと思うけど?」
「・・・メイド服だって、ガーターだって似合わないだろうが。」
「いや関係ねぇーし。てか、それあんたの趣味じゃん。」
「あぁー?失礼だな。俺はお前だからだなっ!」
「はいはい、御託はいいからさルキーノ。」

ジャンが人の悪い笑みを浮かべて、グイッとルキーノの顎に指先を添えて上向かせてくる。自然とドキリとしてしまった自分がこの時点でこいつに負けている気がして、なんとも悔しく思った。

「諦めが悪いぜ?知ってるかルキーノ?」
「・・・デカイ男を犯そうとしてるお前の考えてる事なんて、知ってる訳が無いだろう。」
「・・・アンタ、マジ往生際悪いな。可愛くねぇ。」
「可愛くなくて良いんだよ。こんなに良い男、他にいないだろうが。」
「まぁね。だから俺もアンタの事、こんなに抱きたいほど愛しちゃってる訳だしな。」

ジャンの言葉に、ルキーノは瞳を丸くさせジャンを見つめた。ルキーノと、ジャンは名前を呼んで優しく頬に口づけてくる。そんなジャンにルキーノは何も言え無くなってしまった。

「なぁ、人間いざって時の諦めって肝心だぜ?」

俺もう止める気無いしと、ジャンはルキーノの内股に腰を押し付けてくる。ジャンのものが既に熱くなっているのに気づいて、もうこんなにしていたのかと、ジャンへの呆れやこの状況への羞恥、困惑、様々な感情が混ざった息を口からゆっくりと吐き出し、仕方ないなと呟いた。

「・・・こっちは初めてなんだ。優しくしてくれ。」

ルキーノのぶっきらぼうにも取れる台詞に今度はジャンが驚きの表情を浮かべたが、しばらくして本当に嬉しそうな、幸せそうな、はにかんだ笑みを浮かべた。

「当然でしょ。」

好きだぜルキーノと、そんな恥ずかしくなるような甘い台詞を紡いで、俺の唇にジャンのそれが下りてくる。この俺がこんな事さえ許すようになるなんてな。だが、俺はそれくらいこいつに、ジャンに絆されていたのだと、そんな自分が嫌な訳ではないと、そんな事を思ってしまっている自分自身に。ルキーノは心の中で苦笑を零したのだった。











嫌でもなくほだされて





END









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