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★short 31







#部下ルキ

























 私にとっての隊長はコーサノストラの模範たるべき出来た人だ。常に背筋をピンッと伸ばし堂々とした出で立ちで歩を進め、私を含めた部下たちに指示を飛ばす。適格で迅速、デイバンの民衆にその人格故に慕われ信頼も厚い。そんな隊長を私は誇りに思っているし、隊長の下で働ける事が何よりも私を充実させる。しかしいつの頃からだろうか。隊長に向ける敬意という感情の裏に熱情を潜ませるようになったのは。




「隊長・・っ。」
「く、この・・馬鹿。もっと・・優しく出来ねぇのかっ・・」

私が与える刺激に背を逸らせながらも、隊長は上司として、もしくは男としての意地があるのだろう。荒くなった呼吸と共に隊長はそんな強がりを口にする。私は笑みを浮かべると、グイッと隊長の太股を掬いあげ更に奥深くまで己のものを侵入させた。思わぬ刺激に隊長はクッと唇を噛みしめて堪えてはいたが、そんな姿すら私にとっては更に情欲をかきたてるものでしかない。

「つ・・・お、いっ!」
「すみません、我慢出来そうにありません。」
「加減くらい・・」
「私がこんな可愛いらしい貴方を前にして、加減出来るとでも?」

私の言葉に呆気に取られたかのように隊長は目を見開く。私はそんな隊長の首筋に顔を埋めると、私は言葉に熱を込める。

「隊長を好きに出来るのは、私だけ・・なんでしょう?」
「つ、ファンクーロ。」

そう尋ねた私に、額に汗を滲ませ、隊長は呆れたような照れたような複雑な笑みを浮かべると、私の頭に抱えてグイッと胸元に押し付ける。その隊長の行動に一瞬私も驚きから声を漏らした。

「つ、隊長?」
「何度も言わせるな。この俺にここまで言わせられるのはお前くらいなものだ。」

あぁ、その言葉が私をどれ程嬉しくさせるかなんてこの人は解っているのだろうか。私は顔を上げると、隊長の髪に指先を絡める。ふわりとした柔らかい感触は、どの女よりも魅力的だ。いや隊長の全てが私にとって他の者とは比べものにならない。そう思うのは私の欲目だろうか。私はその髪に唇を寄せた。そして隊長の頬にある傷にも。隊長は「おい」と擽ったそうに身を捻ったが、構わずに隊長の頬に額に首元に口づけた。この人を知ってるのは私だけで良い。他の誰にも、たとえジャンカルロさんであっても、この特権だけは譲るわけにはいかない。私だけがそれを許されている。そう思うと、隊長に対する愛しさが私の胸を湧かせた。腰を動かし、隊長の奥深くまで埋めこんだ自身を引いて突きあげると、隊長の内壁は私に絡まるように絞めつけてくる。隊長自身の先から白濁が溢れ、厭らしく濡らしていた。おそらく隊長も私も限界が近い。

「隊長・・」
「く・・なん、だ?」
「中で、このまま出してもよろしいですか?」
「この、馬鹿。明日は・・」
「午前中寝ていられるように、調整しますので。それに・・」

隊長の中を私の液で犯したい気分なんです。私の言葉に言葉を詰まらせた隊長に薄く笑みを浮かべると、些か乱暴に腰を動かし、ペースを早めた。その動きに隊長の声に色が乗る。抵抗の声が聞こえてきたが、配慮する余裕すら今の私には無かった。

「う・・く、んっ・・」
「つ・・は、・・たい、ちょう。」
「く、やばい・・いきそう、だ。」
「私も、そろそろ、です。」
「くっそ、あ。」
「隊長。」

視界が白く染まる。ドクリと隊長の中で私の液が注がれていくのが解る。ヒクンと隊長は身体を震わせながら、自らの腹を白い液体で汚した。心の中でそんな隊長の姿を綺麗だと毎度思う。隊長のイく瞬間はそれこそ私にとっては極上だと言って良い。まぁ、そんな事を口にしようものなら、殴られるのは想像出来たため、口には出さないが。深く息を零し、私は隊長の中から自らを引き抜いた。もう少しこのまま隊長の中にいたかったが、これ以上はこの人の負担になる。引き抜く際に隊長の悩ましげな喘ぎ声に再び、力を取り戻しそうになったがそれを私はぐっと堪えた。

「は・・あ、無茶・・しやがって。」
「すみません。大丈夫ですか?」
「大丈夫に見えるか?くそ、身体が動かん。おい、明日本当に午前中寝れるんだろうな?」
「勿論、調整します」
「なら、いいが・・・あと、お前に言いたい事がある。」
「どうしました?」
「せめて最中は眼鏡を取れ。」
「え?」
「いつも思っていたんだが、なんで眼鏡を取らん?マナー違反だとは思わないか?」

隊長の言葉に私は困ったように苦笑を零した。

「どうしても取らなきゃ駄目ですか?」
「・・どうしても、だ。」

隊長の言う事だ、ここは私も大人しく従うべきなんだろうが・・

「・・・・外してしまうと隊長の姿がはっきり見えなくなるから、嫌なんですが・・」

眼鏡を取ってしまえば、隊長の姿も霞んでしまう。それは私にとってはあまり気の進むような事では無かった。

「つ、じっくり見るものでもないだろう。女じゃないんだ。こんなデカイ野郎の身体なんて見たって面白いもんでもないだろう?」
「私は、楽しいです。それに・・」

「貴方の感じてる姿を見ると興奮する。」そう耳元で囁くと、「アホか。」と頬に僅かに朱を走らせる。そんな姿すら愛らしいと思ってしまう。私が苦笑を浮かべると、隊長は不機嫌そうに眉間の皺を深くさせた。

「・・・だろうが。」
「隊長?」

小さく隊長が何かを呟いた。それを私は聞き取れなくて、怪訝そうに問い返す。すると、隊長はクソッと舌うちを零すと、ボソリとそれを口にした。

「・・・それだとキス・・出来ないだろうが。」

その瞬間私は、眼を見開く。隊長も自分で自分が言ったことが失言だと思ったのか、眉間の皺を更に深くし、私から顔を逸らせた。

「本当に貴方は・・」
「つ・・何だ?」

私は自身の眼鏡を外し、ベッド脇の机の上にそれを置く。ギシリとベットを軋ませ、再び隊長に覆いかぶさると、余裕が無いであろうその顔を隊長に近付けた。

「本当に貴方は、私を煽るのが上手い。」

そして私は隊長が何かを言う前に、彼の唇を呼吸ごと自身のそれで塞いだのだった。






浸食する病
(貴方の全てが私を煽る。)






END


あ・・・・れ?なんか、ルキーノが可愛(げふん)







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